タイでJR東日本の各駅停車とJR北海道の特急に乗る

鉄旅(海外)
キハ183系

■はじめに
 タイには多くのJR車両が譲渡されており、以前はブルートレインのお下がり車両などに乗りに行ったこともある。今回は、キハ40系(48系)とキハ183系に乗りに行く旅である。
 キハ40系の運用は今年の4月にドン・ムアンとアユタヤの間で運行を開始したが、平日だけの運行であり、少し使用し難い運用であった。それに乗るべく時刻を調べておいたが、8月からバンコク側の始発駅がドン・ムアンからアピワット中央駅に変更されて、アクセスがしやすくなった。よって、アユタヤで少しゆっくりして観光できるダイヤとなった。料金も特別割引となり、1時間15分も乗車するのにたったの50バーツ(240円)である。
 JR北海道で活躍していたキハ183系はツアーで使われており、2022年から行われている。ツアー募集の発表が不定期であり、これまで参加する機会がなかったが、6月の中頃過ぎに偶然にも募集要項を発見した。申し込み開始日は6月30日で、この日は旅行中であったが、午後に新幹線の中から繋いでみると、もう残席がほとんどない状態であった。いくつかあったツアーのうち、唯一の日帰りプランをなんとか確保してネット上で決済した(宿泊プランは、見ず知らずの人と相部屋になるというハードルがあるため)。ナコンナーヨック県に行くプランであり、2,199バーツ(10,500円)である。

■2026.8.6
 タイへの移動手段はJALであり、往復で15万円ちょっと。一昔前なら、ヨーロッパにでも行けそうな値段である(キハのツアー発表がもっと早ければ早期に安いものを手配できるが、それができないため仕方がない)。
 通常は成田や羽田から飛び立つが、関空経由の方が安かったため、ささやかな抵抗としてそれを買っている。

@なぜか関空

 22時頃に関西空港に到着して、国際線の手続きをしてラウンジへ。関空になること自体問題は無いのだが、残念であるのが、JALのラウンジが閉鎖されて共用ラウンジになってしまった点である。久々のJAL国際線、あのカレーを食べるのが楽しみであったのだが、仕方がない。しかし、新しいラウンジも、料理は良い物であった。

@代替として

 0時30分過ぎに搭乗して、アルコールの力ですぐに就寝。気付かないうちに離陸していた。

■2026.8.7
 4時間以下しか眠ることができず、目が覚めた。周囲は朝食を食べているが、そんな気にはなれないためミールはすべてスキップである。
 バンコク(スワンナプーム)には、定刻より30分以上も早い4時10分前に到着した。しばしバッゲージクレームで時間調整をしてから、ARL(エアポートレールリンク)乗り場へ行き、マッカサンまで移動してきた。

@久々のARL

 続いて、地下鉄のブルーラインに乗り換えた。アピワット中央駅に行くのであれば地下鉄のバンスー駅まで行くが、こんな早い時刻に行っても仕方ないため、少し手前のチャトゥチャック公園駅で下車した。目的は、公園散策である。
 朝であるからランニング中の人も多く、リスなどは見ていて可愛いが、1.5メートルくらいありそうな巨大トカゲも道端にいるので要注意である。

@これは可愛い

 チャトゥチャック公園には鉄道博物館があり、私も以前に訪問済みである(拙文「バタワース→バンコク、夜行列車の旅」参照)。しかし、老朽化などにより閉鎖されてしまったという。一応見に行ってみたが、中はもぬけの殻であった(レールが少し残っているだけであった)。

@博物館跡

 その後は公園内や開店前の巨大な市場内を50分くらい歩いて、アピワット中央駅に向かった。以前はバンスー中央駅であったが、大きなターミナル駅舎の完成と共に改名された駅である(国王による命名)。

@空港のよう

 その巨大な駅舎に入ってみたが、大き過ぎて切符売り場がどこだか分からない。その場でスマホで「アピワット中央駅 切符売り場」で画像検索をして、駅舎内の北東部にあるという情報を見付けて、そちらに足を向けてやっと見つけた。

@キハ40系の宣伝も見付けた

 窓口でパスポートを見せて、切符を購入した。キハ40系のコミューターはすべて自由席の運用であるため、切符には「No Seat」と書いてあるが、気にする必要はない。
 それより気になるのが、電光掲示にすでに「Delayed」と出ている点である。しかしこれについても、アユタヤからの上り列車が無事に到着して、そのうち表示されないようになった。

@この後、遅れは無くなった

 乗車するのは、B番線である。8時40分頃からおばさん達が並び始めたので、私も並ぶことにした(これは功を奏した)。
 8時50分頃、改札が始まった。QRを読ませて改札を通り、エレベータで上がると、もうキハ40系が入線している状態であった。

@アユタヤ行

 編成は、キハ40・キハ48・キハ48・キハ40の4両編成である。2両目のキハ48系のボックスシートに陣取り、荷物で場所を確保した状態で外に出て撮影したり、車両内の撮影をしたりした。各所に、JR時代の表示が残ったままである。

@トイレの無い車両

 自席に戻ったが、地元民だけでなくアユタヤ観光が目的の西洋人乗客も増えて行き、車内はほぼ満席になってしまった。私のボックスにも、地元のおばあさん3人組が座っている状態である。早めに並んで、正解であった。
 定刻の9時05分、アピワット中央駅を出発した。

@コロナの表示もそのまま

 しばらく高架を走ると、空港があるドン・ムアンである。ここでさらに乗客が増えて、立つ人もちらほらと現れてきた。
 車内の中吊り広告には、キハ40系関連で作成された数種類のものが掲示されていた(日本語入り)。

@その一例

 その後もひたすら快走するが、各駅の到着前に車掌によるアナウンスがある。その際に、例のオルゴール「アルプスの牧場」を使っているのが面白かった。
 しばらくすると、車掌による検札があった。確認印は、かわいいキハ印である(乗客内に、これが読める人は何割いるのであろうか)。

@確認印

 アユタヤに向かって行くと、左手に工事中の高架が沿うようになった。いずれ、この辺りも高速化されるのであろうか。
 定刻から遅れることたったの1分、10時21分にアユタヤに到着した。キハ用に造られた高床ホームが狭すぎるため、しばし下車した乗客で大渋滞である(全然前に進まない)。

@渋滞解消後に撮影

 私だけでなく、タイ人もあれこれと撮影をしている。急ぐ旅ではないため、本来の低床ホームでキハの様子をあれこれと撮影した。

 戻りの列車まで4時間以上もあるため、アユタヤ観光である。駅前のトゥクトゥクを体よく断り、渡船場に向かった。

@これに乗る(10バーツ)

 対岸に渡った後もトゥクトゥクの誘いを潜り抜け、20分弱歩いて辿り着いたのが、ワット・マハタートである。神社仏閣や歴史にあまり詳しくない私であるが、ここにある仏頭だけは見ておきたかったため、やって来た次第である。

@世界遺産

 大きな寺院であり、入場料も80バーツしたため(地元民は10バーツ)、暑い中敷地内を2周くらい回ってしまった。天気が良くて暑いが、撮影には最適であった。

@寺院内

 元来た道を戻り、途中にあった市場(閉店準備中多し)を経由して、駅に戻った。この時点でまだ12時半くらいであり、戻りのキハまで2時間以上もあるが、暑くて駅付近を散策する気にもなれないため、待合室で暇潰しである。売店で、20バーツのアイスと10バーツの冷たい水を買って、それを頂いた。
 バンコク行の列車が来たため、撮影に行ってみた。これに乗って早く帰ったところでまだホテルにチェックインできないし、それに非冷房車両であるから、蒸し風呂状態である。

@見るだけ

 その後も駅付近で何かネタがないか探してみると、キハ編成がすぐ横の引込線に係留されているのに気付いた。出発までまだまだ時間があるが、エンジンはアイドリングで動いている状態であった。

@係留中

 14時を過ぎたので窓口で切符を買い、ホームに向かった。しばし、撮影タイムである。

 上記の動画などを撮っていたが、その位置が期せずして行列の最前部であったようで、私が先頭になった。14時20分頃にキハ用のホームへの移動を開始したが、この時点で100人くらいは並んでいるようであった。

@先頭にいたのでこういう写真も

 往路はキハ48系の車両に乗っていたので、復路は先頭のキハ40系に陣取った。車内の広告などはJR時代のものもあるが、タイに来てから新装されたものもある。「なまはげ」など、タイの人に認知度はあるのであろうか。

@なまはげ(秋田の男鹿線などで活躍した車両であるため)

 定刻の14時40分、アユタヤを出発した。往路と同様にいくつかの駅に停まって行くが、乗降はそれほど多くはない。
 終着のアピワット中央駅には、定刻より2分早い15時53分に到着した。地下鉄のブルーラインに乗り換えてフアランポーン駅に向かい、駅のすぐ近くにある安宿に投宿した。
 ファストフード店やコンビニで食材を揃えて一献して、今日は終了である。

@フアランポーン駅

■2026.8.8
 キハ183系ツアーの出発は7時35分であるが、ホテルにいても暇なので7時前にフアランポーン駅に向かった。以前はターミナル駅であったが、ターミナル機能がアピワット中央駅に移動したため、今はもう発着本数が少なくなっており、SLが占領しているホームなどもある。

@博物館状態

 ツアーの受付はすでに始まっていたため、メールで送られてきていた予約票を印刷して受付で提示して、名札をもらった。キハ183系と、今日のツアーの見所であるワット・プロムマニーやクンダン・プラカーン・チョン・ダムの写真が印刷されている。

@名札

 キハ183系編成は、展示されていたSLのすぐ後ろにすでに入線していた。北海道で何回乗ったか数えられないが、久々の乗車である。ガラガラとうるさいエンジン音が、懐かしい感じである。なお4両編成であるが、4号車はスタッフ用であり、実質3両であった。

@向かいのホームに移動して撮影

 早速、車内へ。出発まで30分以上あるのに、車内の5分の1くらいの乗客がすでに乗っている状態であった。
 車内各所にはタイの観光案内が数多あるが、なぜか説明文が日本語である。コロナの注意書きも、「マッカサン工場」とあるので、タイ作成であるが日本語である。

@色々あり

 出発までまだまだ時間があるため、車内外の様子をあれこれと写真に収めた。向かいのホームに行ってみると、14系(JR北海道の「はまなす」)を改造したロイヤル・ブロッサムが係留されていた。いずれ、これにも乗りに来たいものである。

@キハ183系色々と14系

 定刻から遅れること3分、7時38分にフアランポーンを出発した。その直前に在来線の列車が入線してきたので、それを待っていたのであろう。
 フアランポーンを出発した後は、スラム街のような沿線風景である。アピワット中央駅ができる前は、列車で大渋滞が起こる区間であった。今日は渋滞は無いが、走行速度は徐行である。車内では案内放送が行われているが、100%タイ語なので意味は分からない(音声通訳アプリでも入れてくればよかったかも)。
 7時55分、最初の停車駅であるマッカサンに到着した。フアランポーン以外でも、乗降扱いがあるようである。

@マッカサン駅

 同駅を出発すると、まずペットボトルの水が配布されて、続いて朝食弁当が配られた。早速頂いたが、これがなかなか辛い(私は辛い物が得意であるのに)。赤いトムヤムクンのようなものも辛いが、それよりもその上にある透明は調味液がその3倍くらい辛かった。隣席にいるおじいさんはその液には手を付けていなかったので、もしかしたらタイでも上位クラスの辛さなのであろうか。

@味は美味しい

 それ以降も、バンコク市内のいくつかの駅で停車して、乗降扱いをして行った。車内は空調が利き過ぎているので、持ってきた長袖を着込んだ(「東南アジアあるある」であるため、どんな季節でも長袖を持参するようにしている)。
 しばらくして、パンとジュースが配布された。これはもう、お持ち帰りである。

@お腹いっぱい

 スマホで地図を見てみると、スワンナプーム空港付近のようであった。確かに左手を見ると、ARLの高架が沿っている。
 この辺りの在来線は、以前にアランヤプラテートへ行く際に乗ったことがあるが、その時は暑い季節でしかも非空調の車両であったため、拷問のようであった。今日は、快適である(というか寒いくらい)。
 続いて、また何やら配布された。「もう食べられないぞ」と思ったが、開けてみたらキハのキャラクターが書いてある水筒であった。

@お土産

 若い女性の係員がやって来て、「バスハ、ゴゴウシャデス」と教えてくれた(この子は簡単な日本語ができて、受付でもタイ国内で通じる携帯番号がない私に「デハ、ダイジョウブデス」と対応してくれていた)。
 外は、長閑な田園風景である。前回は暑くて大変であったが、今日はのんびりと景色を眺められる。

@東へ向かう

 旅程より遅れること13分、10時13分にプラチンブリに到着した。駅前に巨大な2階建てバスが停車しており、指定された5号車に乗り込んだ。幸い、先頭部分の座席を確保することができた。
 バスは、最初の目的地であるワット・プロムマニーへ向けて快走していった。車内ではガイドが延々と話しているが、全部タイ語なので意味は不明である(出発時刻などは、個別に英語で教えてくれたが)。

@5号車なので最後尾

 40分くらい走り、11時15分くらいにお寺に到着した。到着直前くらいから雨脚が強くなり始めていたが、到着時点で鬼のようなスコールとなった(今は雨期だから仕方ない)。しかし、参道はすべてトタン屋根で覆われていたため、傘は必要なかった(傘なんかでは防げない勢いであったが)。しかしトタンなので、恐ろしい雨音である。
 ここは金運に関連する寺院ということで、あちらこちらが金ぴかであった。

@仏像も金色

 参拝した後は、参道にある店舗を見て回った。果物が多いが、宝くじを売っている店が多いのもここの特徴であろう。
 11時50分までにバスに戻り、移動を再開した。続いては、昼食である。各テーブルで大皿から取る方式であり、いつもは朝も昼も食べないから控えめにしようと思ったが、つい大量になってしまった。

@これ以外にも2~3皿追加された

 食後にネットで調べてみると、クルアチョムチャンという店舗であり、評判も良いようであった。確かに、味はどれも良かった。
 食事を終えて、バスは13時に出発した。食後の血糖値スパイクによりうっかり眠ってしまい、ふと目を覚ますとすでにダムであった。まずは、ダムの下で全員での記念撮影である(そのうち、タイ国鉄のウェブサイトに写真が乗るかもしれない)。

@ダムの下から撮影

 撮影を終えてから再度バスに乗り、山道のようなカーブを走り続け、ダムの上部までやって来た。
 ここでは見るだけでなく、ボートに乗っての観光となる。ボート乗り場まで果てしなく階段を下って行くが、それはつまりボートを乗り終えた後はあの長大な階段を昇る必要があるということでもある(実際、高齢者は大変そうであった)。

@でかい

 湖面まで降りて、ボロくて朽ち果てそうな木造の船に乗り込んだ。船はダム湖を周遊するだけでなく、沢のような入り江まで行ってそこでいったん下船して散策をする、という内容のようであった。
 しかし、その地点に到着した時点でまた鬼のようなスコールである。結局、散策は諦めることとなった。

@雨が…

 雨が少し弱まったところで、その地点を出発した。しかし乗り場にすぐに戻ることはせず、ダム湖の周遊はきっちりと行った。私は一番後ろにいたから良いが、最前部の人は遊園地のアトラクション状態(わざと水に濡れるやつ)であった。
 船乗り場に戻り、数多くの高齢者を階段で抜き去り、しばし休憩である。

@雨は上がった

 15時15分に再集合となり、バスに乗り込んでプラチンブリに向かった。16時31分に駅に到着したが、ツアーでのキハの出発時刻は16時30分であったので、少し遅れること確実である。
 歩いて駅舎内に入り、取り急ぎ撮影である。

@プラチンブリ駅にて

 予定より遅れること16分、16時46分にプラチンブリを出発した。復路も、寒いので長袖を着込んでの旅である。
 しばらくして、夕食が配布された。鶏肉のビーフンと、餃子である。しかし、朝昼食がまだ胃に残っているし(そもそもまだ17時過ぎ)、これを食べてしまったのではホテルで晩酌ができなくなってしまう。ということで、持ち帰ることにした。幸い、ビールに合いそうな食事である。

@テイクアウト(蓋もあるから安心)

 復路も、往路と同じ席である。できれば反対側の景色を見たかったが、予約システムの都合上、仕方ないのであろう。
 少しずつ暮れていく中、景色を見たり、アンケート(QRコード形式)に答えたりして、車内を過ごした。終着のフアランポーンには、予定より遅れること31分、19時01分に到着した。出発が16分遅れたことを考慮すると、意外に遅れなかった感じである。

@駅にあった案内

 参加した所感としては、まずトイレ問題であった。私は寺院やダムで暇を見付けては無料トイレに行ったが、その機会を逃した人やトイレが近い女性などは、数少ないキハ車内のトイレで行列をしていた。また、予約が始まってすぐに売り切れることもあり、参加者のほとんどは地元タイ人であった(西洋人は2~3人しかいなかった)。なお、ツアーにありがちな「各所でのお土産屋攻撃(あれ買えこれ買え)」が無かったのが、私にとっては良かった点である。

@ヘッドマーク

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