投資信託と企業DCの罠

FIRE生活 ※投資話も
手数料に要注意

■資産形成の基本

 巷には数多くの投資指南があり、素晴らしいものから眉唾物まで多岐にわたるが、以下のような内容に収斂されると言っても良いと思う。

・ネット証券会社を使う

(対面販売の証券会社であると、手数料の高いファンドを勧められてしまうため)

・手数料の低いインデックスファンド(全世界もしくは米国)を買う

(アクティブファンドは手数料が高く、それでいてインデックスに勝てないため)

 上記を踏まえて、コツコツと毎月積み立てるのみである。私も、これに異論はない。

■私の場合

 2006年から投資を開始したが、当時は全く褒められない投資姿勢であった(個別株のみであり、買う銘柄にしても、ネット掲示板で騒がれているものや、個人的に興味がある企業を碌に調べもせずに買っていただけであり、当然成績は良くなかった)。

 あれこれ勉強し、投資信託を始めたのが2016年である。その頃に積み立てを開始ファンドは、以下の2つである。

SBI資産設計オープン(資産成長型)

eMAXIS バランス(8資産均等型)

 いずれも、バランス型の投資信託である。手数料は、SBI資産設計が0.748%で、eMAXISバランスが0.55%。対面型店舗で売り付けられるような1~2%ほどではないにしても、少し高めの手数料である。

 ここでそれなりに投資を知っている人であれば、「eMAXISは、なぜSlimにしなかったのか」と疑問を持つであろう。eMAXISシリーズには、Slimが付くものと付かないものがあり、手数料が全然違うのである。

 例えば8資産バランスの場合、Slimが付かないものは上述したとおり0.55%であるが、Slimが付く場合は0.143%なのである。それぞれの内容に違いはなく、前者は「対面型店舗でも買える(ネットでも買える)」もので、Slimが付く後者は「ネットでしか買えない」だけの違いである。

 ただし、私は間違ってSlimが付かないものを買ってしまったわけではない。Slimが付くシリーズが販売されたのは2017年以降であるため、私が投信を始めた時には、まだ無かったのである。

 しかし、今の私のように投資関係情報をネットで毎日のように収集し続けていれば、Slimが付くシリーズが出た時点で買い替えていたであろうが、当時はまだ不勉強であったため、そのまま積み立てを続けてしまった。これは、反省点である

(ちなみに、上記2つのファンドは、後日に米国ETFを買う際に「元金」とするため、すべて売ってしまっている)

 その後、再度勉強をして、2020年から開始したのが以下のファンドである。

ニッセイ外国株式インデックスファンド

 流行りの「全世界(オルカン)」系のファンドである。最近は「eMAXIS Slim全世界株式」が有名であるが、このニッセイも悪くないと思う。歴史も長く(なんと2013年に設定された)、私は「ニッセイはオルカンの先駆け」だと思っている。手数料は0.09889%であり、eMAXIS Slimシリーズほどではないにしても、安い部類である。

 本日(2025年5月18日)時点で、私のニッセイの評価額は約858万円で、トータルリターンは83.33%。倍までは行かないが、一番順調に育っているファンドである。

 ちなみに、それ以外に保有している投資信託(とその手数料)は、現時点で以下である。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.0814%

SBI・V・S&P500インデックスファンド 0.0938%

SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型) 0.1238%

SBI・iシェアーズ・インド株式インデックスファンド 0.3138%

 S&P500は資産形成のため(2つに分かれているのは、NISAとそれ以外を分けて把握したいため)、高配当株式(SCHD)はキャッシュフロー改善のため、インド株式は「コア・サテライト戦略」のサテライト枠として、である。詳細については、そのうち紹介したい。

■企業型DCも要注意

 私が務めていた企業がDC(確定拠出年金)に加入したのは、奇しくも私が投資を始めたのと同じ2006年であった。当時は良く分からないまま、「元本保証型よりはマシだろう」ということで、日本株式と外国株式に分けて積み立てていった。

 上述した通り、私生活でも投資の勉強をして、「より手数料の安いファンドに投資する」という、至極当たり前のことをするようになったが、ある時「企業DCも、もしかして手数料が?」と思い、見てみることにした(資産額は時々確認していたが、詳細な部分までは確認していなかった)。

 すると、まず先に気付いたのは、2006年時点では数えるくらいしかなかった選択肢が、かなり増えていることであった。そこで、「外国株式」は「外国株式インデックス」に、「日本株式」は「日本株式TOPIX」に、すべて運用先を変えることにした。手数料は、外国株式インデックスが0.22%で、日本株式TOPIXが0.154%である。「ネット証券に比べればまだ高いが、こんなもんか」と思っていた。

 念のため、それまで積み立てていた「外国株式」と「日本株式」の手数料も調べてみた。すると…。

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外国株式 1.738%

日本株式 1.65%

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・・・これが東○海○日○火災保険のやり方かー!

(まぁ、他の証券会社や保険会社も、似たようなものでしょうが)

 恐らく、20年前はこのような高い手数料でも問題なかったのだが、最近は競争に勝つために、仕方なく「それなりに手数料が安い」ものもラインアップに加えているようである。企業DCに加入中で、積み立て先をだいぶ前に設定している方は、今すぐにその手数料を確認しましょうもしかすると、10倍くらいの手数料を取られているかもしれません(そして、手数料が高いからと言って、運用成績が良いわけでもありません。私の場合、変えた運用先の(手数料が安い)方が、成績が良いくらいであった)

 なお私はこの3月末に退職したため、現時点では企業DCの資金をiDeCoに移管中である。無事に移管を終えたら、ネット証券の口座にすべて移す予定である。iDeCoにしても、やはりネット証券の方が、選択肢が多い(そして手数料が安い)ためである。

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