■はじめに
今回のプチ移住(10日間程度の短期滞在型旅行)は、鹿児島県の鹿児島市である。鹿児島市は県のちょうど中心部にあるためそこに滞在し、薩摩半島や大隅半島、霧島方面など多方面に行ってこようと思う。往復の航空券は特定航空券で押さえておき、キッチン付きのホテルを予約しておいた。
1日目は移動日で、2日目は鹿児島市内(桜島を含む)の観光、3日目は指宿方面への観光である。
■2025.12.9
今日は、ただ単に移動するだけである。通常の旅行であれば朝早くに出るが、プチ移住の場合は荷物が多い(大型スーツケース)であるため、ラッシュ時を避けて昼頃に移動するようにしている。
11時半過ぎに羽田空港に着いて、ラウンジでビールを飲みつつまったりしてから、搭乗口に向かった。

@今日は沖止めでバス移動
13時55分に羽田を離陸して、鹿児島には16時頃に到着した。
ここからは空港連絡バスで移動することになるが、鹿児島では共通ICは使用できない。これは逆に言えば、「他の自治体より導入が早かった」とも言える(後発組は共通ICが多い)。私は仕事の関係もありだいぶ前から鹿児島専用のICカードを持っているため、それを使っての移動である。

@5年ぶりに使う
連絡バスに乗って市内に移動して、金生町バス停で下車した。滞在型のホテルは、ここから歩いて数分である。
事前にメールで送られてきた暗証番号を使って、ホテルに入った。キッチンはもちろん、部屋内にレンジや炊飯器まであり、過去最高に自炊水準を高くできそうである(乾燥ができる洗濯機や洗剤まである)。

@充実
荷物を整理してから、近場にあるスーパーへと向かった。このシリーズで恒例となった地元の卵と、鹿児島産の刺身(ツムブリ)と鳥のタタキである。
部屋に戻り、地場の品で一献してから就寝。

@鹿児島シリーズ
■2025.12.10
今日は鹿児島市内の観光であり、使用するのは市バスと市電の一日乗車券である。桜島も鹿児島市内であるためもちろん使用できるのと、観光用のバス「シティビュー」も利用できて、たったの600円である(3回も乗れば元が取れる)。

@便利
まずは桜島に行くことにしているが、島内のバスは本数が少ないため、9時のフェリーに乗ることにしている。それまでホテルにいても仕方がないため、取り急ぎ市電の終点まで行ってみることにした。
6時半くらいに「そろそろ行くか」と思って外に出たが、まだ暗かった。鹿児島は西にあるため、夜明けは遅いのである。

@まだ暗い
いったん谷山行に乗ったが、どうせなら中央駅方面にも行ってみようと思い、次の電停で下車して郡元行に乗り換えた。次第に明るくなり、郡元で谷山行に乗り換えて、終着の谷山までやって来た。ここは、日本最南端の電停(路面電車の駅)である。

@最南端
谷山から鹿児島駅行に乗り込んだが、だんだんと乗客は増えていき、ラッシュということもあり途中では積み残しも出るくらいであった。
市役所前で降りていったん部屋に戻り、再度準備をしてフェリー乗り場に向かった。桜島までは所要時間15分、250円である。

@共通ICも使える
9時に出港し、次第に市街地が離れていった。船内をぶらぶら歩いていると、自販機で鹿屋(かのや)農業高校の「黒豚みそ」が売っているのを発見した。こういうのを見ると応援したくなる質なので「夜のごはんのお供にしよう」と思って買ってみたが、なんと缶切りが必要なタイプであった(笑)。若いに人は「缶切り」と言ってもピンと来ないであろうが、昔はそれがないと缶詰は開けられなかったのである。私も家に帰れば缶切りと栓抜きがセットになった器具があるので、これは必然的にお土産となった。

@持って帰る
約15分の航行で、桜島に到着した。今日はこれから黒神埋没鳥居まで行くが、過去の写真データを探してみると、前回の訪問は1992年であった。だいぶ久々である。
しばし待ち、東白浜行のバスに乗り込んだ。

@市営バス
車内は私を含めて3人しか乗客がいなかったが、残り2人は比較的近距離で降りてしまい、その後は私1人だけになってしまった。
9時48分に東白浜に到着し、ここで9時55分発の小さいバスに乗り換えた。バス車内は相変わらず私1人だけであるが、バスは脇道にも入って小さな集落を経由して行く。
10時12分、黒神中学校前に到着した。すぐ近くにあるのが、埋没鳥居である。

@33年ぶりの訪問
この鳥居は、1914年の大噴火による火山灰で埋まってしまった鳥居である。とてつもない量の灰が降ったことが想像できる。
せっかくであるから桜島を見渡せる場所まで行こうと思って歩き、振り返ると、ちょうど小さな噴火があったようで大きな煙が出ているところであった。あれが継続したらとんでもないことになるが、この後すぐに止まってしまった。

@プチ噴火中
10時33分発のバスで東白浜まで戻り、そこから10時55分発のバスに乗り換えた。桜島港では降りず、その少し先の国民宿舎前で下車した。というのも、すぐ近くにスーパーがあるからである。
島の魚でもあるかと思ったが、残念ながら無かった。しかし鹿児島産の鶏肉や豚肉があったので、地元の野菜と共に買うことにした。

@すべて鹿児島産
道の駅に寄ってスタンプを押してから、港まで歩いて戻った。11時45分発のフェリーで市内に戻り、いったん部屋に戻ってスーパーで買った品を冷蔵庫に入れて、そして天文館にあるバスセンターで明日以降に使用するチケットを事前購入した。
それから歩いて西郷銅像前バス停まで行き、12時44分発のシティビューに乗り込んだ。

@これも一日券で乗車できる
観光用の定期バスであるため、あちこち迂回して行く。城山などを経由して、13時19分に到着したのが仙巌園である。鹿児島市には何度来たか分からないが、ここに入ったことはない(庭園のためだけに高い入園料を払う気になれなかったので)。しかし、鹿児島市に長期滞在してここに来ないという選択肢はないであろう。
仙巌園の旅行記は数多あるため、写真は1葉だけの紹介にしておきたい。

@桜島を拝む
1時間くらい滞在して(併設する博物館も見て)、シティビューに乗って鹿児島駅前で下車した。そこから市電に乗って、辿り着いたのが神田(しんでん)電停である。
すぐ近くには鹿児島市交通局の本社があり、その3階には市バスと市電の資料館があるのである。1階で記帳をして、その部屋に向かった。幕回しや音声案内など、実際に動かせるものも多く、そして外は車庫全体が見渡せるようになっていた。

@資料色々
資料を見終えてからは、市電に乗っていったん部屋に戻った。
鶏モツの下処理(血を抜いて酒と生姜で漬ける)を終えた時点で、まだ16時過ぎである。せっかくの1日券があるので、西郷銅像前バス停まで歩いて行って、再度シティビューに乗って城山に向かった。
城山バス停で降りて数分歩くと、展望台である。

@今日は桜島尽くし
下りについては、バスではなくて遊歩道を歩いて行った。そのまま部屋には戻らず、スーパーに寄って酒のストック(9泊もするため)を買うことにした。
しかしそこで、鹿児島産のハガツオと割引になっているイサキを発見してしまった。ハガツオはサワラの仲間であり足が速いため、首都圏ではなかなかお目に掛かれない。ということで、午前に買った手羽先や豚肉は明日に回すことにして、今晩はこれらに決定である。

@鹿児島の魚
■2025.12.11
今日からの2日間は、「のったり・おりたりマイプラン」の2日乗車券を利用してのバス旅となる。この乗車券は知覧や指宿方面のバスが乗り放題であり、また鹿児島市内からの往復も付いている(日帰りで2回往復しても良いが、鹿児島市の特定の区域は、往路は乗車のみ復路は下車のみしかできない)。

@2日乗車券
2日間有効で3,000円であるから1日当たり1,500円であり、かなりお得な設定である。
8時過ぎまでゆっくりしてから、ホテルを出発した。指宿方面のバスの始発となる金生町バス停まで歩いて行き、たまて箱温泉行のバスに乗り込んだ。

@今日もバス旅
8時38分、金生町を出発した。鹿児島市内を通り、五位野を過ぎた辺りで左手には大きく海が見えてきた。その先には、大規模な石油の備蓄基地が見えている。快晴であればすばらしい景色であろうが、残念ながら今日の天気予報は「曇り時々雨」である。

@無念
海を眺めつつバスに揺られ、指宿駅や砂むし会館を経由して、10時37分に到着した山川駅バス停で下車した。ここまでの正規運賃は1,350円であり、もうほとんど元を取ったようなものである。
目の前にはJRの山川駅があり、ここは最南端の「有人」駅である(最南端のJR駅は西大山で、すべて含めて最南端は沖縄の赤嶺である)。

@有人では最南端
この駅の近くには激安宿があり、そこの食堂も有名であり、だいぶ前に泊ったこともある。
今日は、港がある方面まで初めて行くことにしている。トラックの往来が多い道を歩いて、道の駅がある方に歩いて行った。

@ここはカツオが有名
20分強歩いて、道の駅に到着した。刺身などが安く売っているが、まだ11時過ぎであるため持ち歩くのは不安である。そこで横を見ると、小さいとはいえ3匹でたった200円の朝どれ魚があったので、山川産のレタスと共に購入してみた。

@地物
道の駅の前にあるバス停で待ち、11時34分発の知林ヶ島入口行のバスに乗り込んだ。
指宿の街中を通り過ぎて、12時に終点に到着した。そこから数分歩いて見えてくるのが、知林ヶ島である。季節や潮流によっては歩いて渡れる島であるが、今日はすべて海に囲まれている状態であった。

@今日は渡れない
バスの本数が少ないため、指宿の街中までは歩いて戻ることにしている。沿道にある海軍関連の記念碑などを見ながら、砂むし会館がある場所まで1時間ほど掛けて歩いて戻った。
砂むし会館が今週は臨時休業ということもあり、観光客の姿は皆無であった。

@寂しい
バス停に移動して、13時37分発の知覧行に乗り込んだ。車内は私だけであり、指宿駅前で1人の観光客が乗り込んできたが、結局終点まで乗客は2人だけであった。補助金などで路線が継続しているのかもしれないが、心配な状況である。
14時48分、特攻観音入口に到着した。歩いて数分の場所にあるのが、特攻平和会館である。

@入口付近
しかし、中には入らない。だいぶ前に拝観済みであるだけでなく、この手の展示は見るに忍びない気持ちがあるため、「再度入ろう」という気にはなれないのである。
そこから40分ほど歩いて、武家屋敷にやって来た。こちらは初訪問である。紅葉も綺麗な時期であり、静かな街中を散策し続けた。

@武家屋敷色々
散策を終えてからはバス停に移動して、16時03分発の金生町行に乗り込んだ。車内は意外に混雑しており、空席は3つくらいしかなかった。
夕方のラッシュもあり、金生町には定刻から10分ほど遅れた17時34分に到着した。部屋に戻り、昨日今日で揃えてある食材で夕食を作って、一献の開始である。

@つまみ類(締めのごはんは豚肉炒めと頂く)


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