プチ移住第4回・群馬県伊勢崎市編(1日目~5日目)

プチ移住
旧太子駅

■はじめに
 8月後半だというのに、首都圏では連日の猛暑日である。プチ移住についても、もちろん避暑地に行きたいところであったが、北海道などはまだまだ観光シーズンであり、飛行機代やホテル代も高いままである。
 そこで、「なんならもっと暑いところに」ということで、今回は群馬県の伊勢崎市である。暑い町と言えば熊谷市が有名であったが、今年の8月5日に伊勢崎市で41.8度を記録して、国内最高気温を更新している。
 私は5月にすでに伊勢崎駅に近いホテルを予約しておいたが、帯広滞在中(前回のプチ移住中)にこのニュースを見た際は、「さすがに40度以上は…」と困惑してしまった。しかし天気予報によれば、私が伊勢崎に滞在する期間は、なんとか35度程度に収まりそうであった。
 ホテルは駅のすぐ近くで、8泊で37,000円。じゃらんのクーポンを5,000円分適用させて、32,000円である。1日当たり4,000円と考えれば、群馬まで毎日往復するのと大差ないであろう。

■2025.8.24
 今日は、伊勢崎までの移動だけである。最寄りのJR駅に行き、南越谷駅で降りてすぐ近くにある東武の新越谷駅に向かった。
 新越谷からは、チケットショップで買っておいた株主優待券での移動である。早期退職をして、もうそんなにケチケチする必要もないのであるが、こういう吝嗇癖(ケチ)はなかなか治らない。

@これで移動

 東武鉄道に乗り、久喜と館林で乗り換えて、16時半頃に伊勢崎に到着した。
 伊勢崎については、東武鉄道乗り潰しの旅で来たことがあるくらいである。駅前に大規模商業施設がある高崎などに比べると、なんとも寂しい駅付近である。

@「くわまる」がお出迎え

 3分ほど歩いて、ホテルにチェックイン。今回のホテル選択理由は、言うまでもなくキッチンがあるという点である(しかし調理器具は無いため、持参する必要がある)。部屋もリニューアルされたばかりのようで、新しかった。

@決め手

 さて、まずは夕食用食材の入手である。ホテルから歩いて数分のところに大規模スーパーがあり、しかも自宅に近いスーパーと同じチェーン店であるため、ポイントカードなどもそのまま使えるのが有難い。
 しかし、同じチェーンだけあって、品揃えはほとんど同じであった。なんとかして「群馬らしいもの」を探し、地元店の納豆とキムチ、上州名物のホルモンなどを買い揃えた。

@キャベツも、一応群馬産

■2025.8.25
 プチ移住シリーズの恒例として、初日は滞在している都市の観光である。
 41.8度を記録した伊勢崎市であるが、到着した昨日も39度くらいであった。しかし今日からは、先述した通り35度程度になるようである(それでも充分に暑いが)。
 まだ暑くなる前の早朝6時前、散策をして旧時報鐘楼や伊勢崎神社を見て回った。

@旧時報鐘楼

 いったんホテルに戻ってから荷物を整え、伊勢崎駅に向かった。今日はコミュニティバスを中心に移動するが、乗り継ぎと便の少なさの関係で、最初だけは東武鉄道で移動することにしている。
 9時17分の列車に乗り、10分程度で到着した境町で下車した。コミュニティバスの出発まで40分くらいあるが、駅前近くに「境赤レンガ倉庫」という歴史的建造物があったので、中を見させてもらった。

@境赤レンガ倉庫

 僅かではあるが展示品もあり、日本煉瓦製造が深谷付近で敷設していた鉄道のレールを使った品があり、意外なところで鉄道ネタと遭遇した。
 さて、続いてはバスで移動して、田島弥平旧宅へ行くことする。10時06分発の、小さいバスに乗り込んだ。

@コミュニティバス

 200円を支払い、バス車内へ。市内を走り、利根川を渡って、終着の「島村蚕のふるさと公園」バス停で下車した。
 まず向かったのは、田島弥平旧宅案内所である。養蚕産業に貢献した田島弥平氏に関する展示館であるが、見た目は小学校である(廃校を再利用しているため)。

@案内所です

 私1人だけのために非常に丁寧な説明を係員から受けてから、案内所を後にした。
 日傘を差して歩き、今度は実際の旧宅である。そこでも建物に関する説明を受けたが、いずれも入館料は無料である。
 さて、続いて目指すのは、「旧渋沢邸 中の家」である。歩いて40分くらいであるが、選択肢がないため歩くしかない。傘を差し、時々氷水を飲みつつ歩いて(その間にいつの間にか埼玉県に入り)、やっと目的地に辿り着いた。館内に冷房があるのが嬉し過ぎる。

@中の家

 ビデオを見たり展示物を見たりしてから、再度炎天下を10分ほど歩いて、次に辿り着いたのは渋沢栄一記念館である。なお、先ほどの中の家もこちらも、いずれも無料であるのがまた嬉しい。

@立派な記念館

 見学を終えてから、20分ほど歩いて、コミュニティバスの「上武大橋南」に辿り着いた。今日はもう観光は終えて、コミュニティバスを3つ乗り継いで帰ることにしている。というのも、伊勢崎市のコミュニティバスは最初の乗車時に200円を支払うと「一日券」が発券され、それを使って何回でも乗車できるのである。

@一日券(というレシート)

 境島村シャトルバスで境町駅南口まで戻り、続いては13時34分発の境南循環バスに乗って川向団地で降り、そこから南部シャトルバスの下蓮町バス停まで10分ほど歩き、最後は14時07分発のバス(10分くらい遅れてきた)に乗って15時10分に伊勢崎駅南口に到着した。
 まだ早いが、夕食用食材の入手である。駅南口にもスーパーがあるため、今日はそこに向かってみた。群馬的なものはなかなか無いが、地元養鶏場の卵と、カップ焼きそばを見付けるのが関の山であった。

@こんな感じ

■2025.8.26
 さて、昨日は伊勢崎市内(一部埼玉県含む)の観光を終えて、今日から本格的な群馬県観光を…と思っていたが、父親の容態が良くなくなり、急遽戻ることに。幸い、昨日からの処置などが上手くいったため大事には至らなかったが、プチ移住はこの日だけ中段することとなった。

@伊勢崎駅で見掛けた特急「りょうもう」

■2025.8.27
 今日からは、「ぐんまワンデーローカルパス」を使って群馬県内を周ることにしている。この切符はデジタル専用であり、群馬県内のJRや私鉄各線(栃木県や埼玉県も若干含まれる)が乗り放題で、価格も2,500円と手頃である。日曜日まで、5日間連続してこれを使うことにしている。

@こういうパス

 今日はまず、このパスが使える範囲の北限ということで、土合に行こうと思う。
 身支度をしてホテルを出て、伊勢崎発7時01分の列車に乗り込み、新前橋で水上行に乗り換えて、水上で越後湯沢行に乗り換えた。

@JRの連続

 8時28分に水上を出発し、8時37分に土合に到着した。鉄道ファンなら誰もが知るところであるが、この駅は上り線と下り線のホームが掛け離れた場所にあり(建設年度の違いによる)、下り線は地下深くにあるのである。よって、上り線のホームに向かうためには、462段もの長大な階段を登らなければならない。

@果てしない

 過去に訪問したことはあるが、だんだんと衰えの出て来る歳でもあり体力が心配である。取り急ぎ、登り始めた。
 地下深くにあるため、ホーム付近は震える程の寒さ(冬のよう)であるが、登るにつれて生暖かくなり、登り切って汗だくになったころはセミが鳴くような環境である(逆なら良いのに)。

@その先にも階段がある

 9時過ぎ頃に、やっと待合室に辿り着いた。上り線の時刻表を見て「12時41分」とあり驚くが、ネットで再確認して10時20分発の臨時列車(夏休み期間運行)があるのを確かめた。
 その列車に乗り、水上で新前橋行に乗り換えて、同駅を10時45分に出発した。途中の渋川で、調子が悪くて運用から外れているSLが試運転中であるのを発見した。

@うまく撮影できず

 新前橋で高崎行に乗り換え、高崎で下車して次は上信電鉄乗り場に向かった。次の目的は、この鉄道の乗車である。だいぶ前に、世界遺産である富岡製糸場などの観光目的で乗ったことがあるが、それ以来かもしれない。

@各社からのお下がり車両が多い

 12時13分、高崎を出発した。ロングシート車両であり、左右双方のブラインドがほとんど降ろされてしまっているため、景色はほとんど見えなかった。
 当初予定では山名で途中下車して観光するつもりであったが、どうにも日差しが強過ぎる。ということで、まずは終点の下仁田まで先に乗り通すことにした。
 下仁田には、13時14分に到着した。下仁田ネギでもあるかと思い駅近くのスーパーに行ってみたが、残念ながら見付けられなかった。

@下仁田駅

 駅に戻り、高崎行に乗り込む。なんと車内は、ボックスシートではないか。地方の私鉄はロングシートが多いが、このようなシートの車両が新しく導入されているのは嬉しい。13時35分に出発し、往路の分も含めて景色を堪能した。
 復路こそ途中下車しようと思っていたが(目的地はドライブイン七輿という場所で、レトロ自販機が多く置いてあるところ)、しかし、まだ日差しが厳しいままであり、駅から片道30分も歩くのはしんどい。よって、日程が1日短くなったことによって省略していた目的地(藤岡、本庄、深谷)のいずれかに行くことにした。
 途中下車せず乗り通し、高崎には14時36分に到着した。9月まで「ぐんまちゃん駅」としてキャンペーン中である。

@至る場所にあり

 時間があるため、駅付近のスーパーなどで地元食材の下見をしてみた(伊勢崎のスーパーは地元民対象のため、地場産品は少ない)。いくつか地物を発見したので、滞在中に買ってみたいと思う。
 さて、今日の次の目的地であるが、藤岡にすることにした。
 15時30分発のJRに乗り、新町で下車した。ここから道の駅「ららん藤岡」までは、コミュニティバスで行くことができる。1日に4本しかなく、しかも月水金しか走らないため、利用するのは至難の業であるが。
 16時00分発の、そのバスに乗り込んだ。

@乗客は私だけ

 小さいバスは住宅街を走り抜け、16時08分に「ららん藤岡」に到着した。
 ここは道の駅であるが、店舗の中には「肉の駅」というものもあるため、ここで群馬産の肉を買うのが目的で来たのである。道の駅のスタンプを押してからその店に向かい、明日の分も含めて数種類の豚肉とこの店オリジナルのタレを買い込んだ。

@肉の駅

 ここから先の移動であるが、コミュニティバスの本数は恐ろしく少ないため、歩くしかない。しかし、急に曇り始めて強風が吹き始めたため、徒歩移動は楽であった(埼玉県方面でゲリラ豪雨があった模様)。
 約25分歩いて八高線の北藤岡駅に向かい、17時02分発の高崎行に乗車。高崎で乗り換えて、伊勢崎に帰ってきた。
 今晩は、当然の如く「豚肉尽くし」である。バラと肩ロースはタレで頂き、切り落としは生姜焼きである。

@一式

■2025.8.28
 今日も、「ぐんまワンデーローカルパス」での移動である。主な目的地は、草津温泉と長野原線の太子(おおし)駅跡である。
 7時50分発の列車に乗り、高崎まで移動した。吾妻線に乗るためには高崎より手前の新前橋乗り換えの方が楽であるが、座席確保のため一旦高崎まで来てみたのである(フリー切符ならではの移動方法)。
 しばらくして8時53分発の吾妻線大前行が入線してきたが、座席に関する心配は無用であった(ガラガラ)。

@大前行

 定刻に出発して上越線を走り続け、渋川からは吾妻線として分岐して行った。
 今日はまず終点の大前まで行き、そこから折り返して長野原草津口まで戻ってJRバスに乗り換えて草津に行く予定である。腹が減ってはナントカということで、まずは高崎駅で買っておいた「峠の釜めし」のおにぎりである。

@280円也

 吾妻線に乗るのは久々である。終着の大前が寂しい駅であることは知っていたが、ご無沙汰しているうちに状況は変わり、大前駅の手前にある万座・鹿沢口駅は、2006年に「みどりの窓口」が無くなり、2016年には特急乗り入れが廃止、そして2024年には長野原草津口から大前までの廃止に関する協議まで始まってしまっているという。
 長野原草津口でかなりの乗客が降り、その他の乗客も万座・鹿沢口で下車してしまい、最後は私を含めても2人だけになってしまい、10時41分に大前に到着した。思い出通りに、何もない駅である。

@大前駅

 10時50分発の折り返し列車に乗り、長野原草津口には11時10分に到着した。ここからJRバスに乗り換えるが、理由は「ぐんまワンデーローカルパス」で乗車できるからである。
 しばし駅待合室で涼み、駅前にあるバスターミナルに向かった。やって来たのは、少し古いタイプのJRバス車両である。

@燕マークのJRバス(復路に撮影)

 11時31分、駅前を出発した。車内には3~4人しか乗客がいないが、平日は観光客が少ないから仕方ないのであろう。
 峠道を走り続け、終着の草津バスターミナルまでは乗らず、その少し手前の運動茶屋バス停で下車した。というのも、ここから歩いて数分の公園に、草軽電気鉄道の駅跡の碑があるからである。
 ということで、その碑があるところまでやってきた。軽井沢から草津まで、のんびりトコトコ走る鉄道など、もし今残っていたら観光客で賑わっていたかもしれないが、いかんせん63年も前に廃止されているから、どうにもならない。

@駅跡

 折り返しのバスまで時間があるため、お上りさん的に湯畑などを歩いて見て周った。鉄道ネタはもちろん無いが、敢えて言えばバスターミナルの待合室にあった草軽電気鉄道の機関車(1/2スケールのモデル)くらいであろうか。

@模型です

 13時20分発のバスに乗り(今度は15人くらい乗客がいた)、長野原草津口駅に戻ってきた。
 続いてはこの駅から地域のバスに乗って太子駅があった場所に行くが、バスは1日に4本しかないため、往路だけ利用して復路は歩いて戻って来ることにしている。
 14時03分、小さなバス(乗客は4人)が出発した。

@こんなバス

 両替機などないバスであるため、乗車時に旧太子駅バス停まで行くことを告げて両替を兼ねてすでに料金を払っているが、走行中は案内も何もない。しばらくして、地声で「まもなく旧太子駅です」との案内があった(私以外の乗客は、皆常連で行先を把握しているのであろうか)。
 バスを降りてすぐ近くで待ち構えているのが、貨物車両「ワラ1形」である。

@ワラ1形

 広い駐車場を通り抜けて階段を降りて、復刻された駅舎で受付を済ませた(料金は200円)。ここは長野原線(俗称。吾妻線の支線部分であり1970年に廃止された)の太子駅跡を整備したところであり、再建された駅舎内には展示物があり、ホームには貨車が係留されている。

@ホームの様子

 特に目立つのが、国の登録有形文化財に登録されているホッパー棟(鉱石や砂利などを上部から投入して下部から排出し、貨車に積載する)である。崩壊が進んでいるため中には入ることができないが、レールなども残ったままである。

@ホッパー棟

 さて、見学を終えた後は帰らなければならない。バスは無いため、仕方なく歩いて戻ることとなる。スマホに計らせると1時間40分程度であるが、下界ほどは暑くないから大丈夫であろう。
 歩き始めて20分ほどすると、赤岩の集落に入った。ここは古い家や水車などがあり、少し観光気分になれる場所である。

@お花と家

 集落を過ぎてからは、ひたすら歩き続けるだけである。それなりに暑いが、下り坂中心であるし、風も少し出てきたので問題ない。
 1時間以上歩いて道路の高架が見えてくる部分で、右手に大きく残っているのが、長野原線の廃線跡(橋梁跡)である。

@これも廃線跡

 長野原草津口駅まで戻り、しばし休憩してから16時39分発の列車に乗り、新前橋で乗り継いで伊勢崎まで戻った。

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