プチ移住第3回・北海道帯広市編(1日目~3日目)

プチ移住
十勝鉄道

■はじめに
 早期退職を期に始めたプチ移住(約10日間の滞在旅行)であるが、今回は北海道の帯広市である。予想外に早く梅雨が明けたことにより本州以南は異常なくらいの猛暑が続いているが、そこから逃避するというのも目的である。先週はフェーン現象で帯広でも38度という異常気象になった日もあったが、通常であれば朝は20度以下、昼でも26~29度くらいの気候である。
 宿については、帯広駅から3キロくらい離れている場所となった。理由はもちろん、「キッチンがある」という点である。すぐ目の前に大型スーパーも複数あるようなので、そういう面でも安心である。駅までは遠いが、健康のために歩けばよい。
 問題は、帯広までの足(航空券)である。夏休みということもあり格安の切符は期待できないが、JALのマイルで空席を見付けることができたので、そちらで押さえることにした。よって、経費的には施設使用料の900円だけであった

■2025.7.30
 9時頃に家を出て、羽田空港へ。11時15分発のフライトで、一路帯広へと向かった。
 帯広空港周辺は、少し靄っている感じであった。先週の異常気象も落ち着き、到着時のアナウンスによれば、現地の気温は23度とのこと。まさに、「避暑」である。

@着陸直前

 着陸後に空港連絡バスに乗り、市内へと向かった。上述した通りホテルは駅から遠いため、大通り34丁目というバス停で降りた。
 この時点でまだ14時前であるが、チェックインは16時からである。しばらく大型スーパーの下見をして(道産ものの食材など)、16時にチェックインをした。部屋にストーブが置きっぱなしであるのが、道東っぽい(9月後半になると、もう寒くなり始める)。

@今回の滞在部屋

 今回は9泊で52,200円であり、じゃらんのクーポン6,000円分とポイント3,400円分を差し引いて、42,800円での滞在となる。
 続いては、キッチンチェックである。電気コンロはもちろん、冷凍庫のある大型冷蔵庫があり(部屋にも小さい冷蔵庫はある)、また炊飯器も置いてあったので、自炊には充分であろう。

@キッチンは重要

 設備を確認してから、早速スーパーへと向かった。今日買い揃えた食材は、中札内の卵と同じく中札内の納豆、そして釧路産の柳の舞(メバルの仲間)である(写真には映っていないが、締めとして豚ジンギスカンも買った)。柳の舞は、ゴリゴリの食感で美味であった。

@一式

■2025.7.31
 早朝に近隣を散歩。気温は20度程度であるため、持参してきた長ズボンと薄手の長袖着用である。
 今日は帯広市内観光の予定であり、9時頃になってから出発した。ホテルを出て少し歩いて売買川を渡ると遊歩道が見えて来るが、これは実は十勝鉄道戸蔦線の廃線跡である。

@鉄道の痕跡は無し

 その遊歩道を20分ほど歩き、「せせらぎの小径」という名が「思い出の小径」というものに変わった辺りに、小型のSLと客車(表紙写真)が展示されている。これらは十勝鉄道で使われていたものであり、塗装なども奇麗に保存されている。同鉄道は、1959年に旅客営業が、1977年には貨物営業も終了して廃線となっている。

@SL

 車両の展示を見てからは大きく左折して、緑ヶ丘公園に向かった。公園内には多くの初老の人がゲートボールをしており、あちこちでエゾリスが走り回っている。長閑な平日の朝、という感じである。

@ギネスにも載った「世界最大の家具」であるベンチ

 なおこの公園は、帯広監獄の跡地であり、それに関連する碑などもある。
 敷地内を歩いていくと、その先にあるのは帯広動物園である。とりあえず、420円を支払ってそこに入って動物を見て回った。

@これも鐡ネタ?

 動物園内をルート通りに歩き回り、敷地を出て、続いての目的地はビート資料館であるが、その前に遠回りしてカレー屋「インデアン」に向かった。この店では個人のタッパーなどを持参すればカレーの持ち帰りができるのだが、冷凍カレーも売っており、それを入手するためである(通販はしていない)。

@インデアン

 無事に帯広B級グルメを手にしてから、再度歩き始めた。少し暑くなってきたが、関東の猛暑と比較すればまったく問題にならない暑さである。
 11時過ぎに、ビート資料館に到着した。ここは、先ほど紹介した十勝鉄道戸蔦線が通っていたところであり(ここに工場があり、砂糖の原材料となる甜菜(ビート)を輸送していた)、よってこの写真のような展示が敷地内にある。

@工場前駅

 復元された線路だけを見るのなら無料であるが、せっかくであるから300円を支払って資料館に入ってみた。というのも、十勝鉄道関係の資料があるかもしれないと思ったからである。
 予想通り、館内の数か所に十勝鉄道の資料が展示してあった。砂糖の製造に関する資料よりも、そちらを中心に見学である。

@鉄道関係

 その後はいったんホテルに戻り、1時間ほど休憩。続いては、ジンギスカンを買いに有名店に行くが、どうせ暇なので往路は2時間以上掛けて歩いていくことにした。
 1時半頃にホテルを出て、歩き続けること2時間以上、やっと「有楽町」に到着した。昨日の夕方に、ジンギスカンとホルモンそれぞれ1キロを予約する電話をしてある。

@有名店

 無事に、ジンギスカン(2,200円)とホルモン(1,900円)を確保。スーパーで売っている品と比較しても、良心的な価格設定であろう。
 復路はさすがにすべて歩く気にはなれないため、15時58分発の列車に西帯広駅から乗車して、帯広まで移動した(帯広駅からは、45分ほど掛けて歩いてホテルに戻ったが)。
 さて、今日から3日間くらいは、ホルモンをツマミにして呑み、ジンギスカンとライスで締める夕食が続くことになる。

@ホルモン(味噌だれ)とジンギスカン(醤油たれ)

■2025.8.1
 今日は、JRを使って新得方面へのプチ旅行である。新得などはもう何度も行ったことがあるが、今年の6月15日に地域交流センターがオープンして鉄道関係の資料展示が始まったため、そこに訪問するためである。
 8時前にホテルを出て、帯広駅までは歩いて45分程度である。駅前にはレールがあるが、これは廃線などではなく、明治38年に最初に鉄道が敷かれた場所を再現したものであるという。

@昔はこの位置(高架化に伴い現在の駅はこれより南に)

 券売機で新得までの切符を買い、8時54分発の列車に乗るべくホームへ上がって行った。1両編成の新得行はすでに入線しており、高校生などでそれなりの乗客がいたが、なんとか窓側席を確保することができた。

@1両編成

 定刻に帯広を出発。課外活動らしき小学校低学年が大量に乗っていたが、彼らや高校生は芽室まででほとんど降りてしまい、新得到着前には乗客は片手くらいの数になってしまった。
 9時59分、新得に到着した。ここに来た理由は地域交流センターの開業以外にもあと1つあり、それはこの夏のキャンペーンとして「鉄旅印」が新得駅と十勝清水駅でもらえるからである。駅員に新得までの切符を渡して、それを頂いた。

@鉄旅印(新得)

 早速、駅に隣接する場所に出来た地域交流センターを訪問した、1階には土産店やカフェがあり、私の目的である鉄道遺産展示室は2階にある。
 展示室には、昔の新得駅のジオラマや古い備品、狩勝峠に関する歴史展示などがあった。ビデオも3種類あり、特に「狩勝実験線」に関する動画は、鉄道の技術に興味のある人は必見であろう。

@展示室

 展示をすべて見終えてからは、新得町内の徒歩観光である。しかし、せっかく蕎麦で有名な新得に来ているのである。駅蕎麦屋も営業中であったため、そちらを頂いてから出発することにした。

@かけそば(400円)

 蕎麦を汁まで頂いてから、北方面へと向かってい歩き続けた。まず最初は、SL広場である。これは狩勝実験線跡の最初の部分にあるものであり、SL(D51)が展示してある場所である。前回の訪問時は雪が大量に残っていて車両まで近づけなかったが、夏である今は余裕である。

@SL広場

 SLを見た後は、続いて新得神社に向かった(駅の西側を観光するのは初めてである)。参拝を終えてから駅に戻ったが、神社の階段を上り下りして汗をかいたとはいえ、このくらいの気候なら問題なしである(駅前の温度計は24.5度を表示していた。さすが北海道)。

@新得神社

 続いての目的地は、拓鉄公園である。これは、北海道拓殖鉄道の南新得駅付近を再開発したものであるが、なぜかGoogleマップに出てこない。仕方ないので、ネットの観光情報を頼りにして歩き続けて、発見することができた。
 敷地の西側には「拓鐵の小路」という遊歩道もあり、これはまさに鉄道の廃線跡である。

@拓鐵の小路

 1泊2日などの旅行ではこのようなマイナーな場所には訪問し辛いが、時間に余裕があるとこのようなことが可能になる。なお北海道拓殖鉄道については瓜幕や鹿追に名残があるため、4日後に訪問する予定である。
 新得駅に戻った時点でまだ12時半前であり、次に乗る列車まで1時間以上あるが、交流センターの待合室(冷房やコンセントあり)で充電したりPCで旅行記をまとめていれば、時間はすぐに経過して行く。

@鬼滅の刃キャンペーン中

 13時52分発の帯広行に乗り込み1駅、十勝清水で下車した。ここで、2枚目の鉄旅印受領である。もらう順序を十勝清水→新得の順にすれば、新得の地域交流センターで鉄旅印の台紙をもらえたのであるが(ただし数に限りがあるため、本日時点でもらえるかどうかは不明)、各駅停車だけで旅程を練った結果、どうしてもこの順になってしまった。

@鉄旅印(十勝清水)

 さて、ここで1時間ほど時間があるが、十勝清水駅周辺にはこれといった観光要素が無いのである。仕方ないので、買い物もしないのにスーパーに行ったりして時間を潰した(地元の牛肉があって買いたくなったが、今晩はジンギスカンやホルモンの残りがまだある)。
 券売機がないので窓口で切符を買い、15時10分発の帯広行に乗車。途中の芽室からは、午前に下車していった小学生の団体が乗り込んで来た(奇遇)。
 16時08分に帯広に着き(昨日と同じパターン)、駅から歩いてホテルに戻った。
 さて、先述した通り夕食は昨日の余りがある。しかし酒については、いつも通りの安酒である。前回の徳島プチ移住で「酒も地物で」ということに途中で気付いたので、今回も北海道物を慌てて買ってきた。

@ホルモンにはビール

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