【大人鐡75】JR西日本「WEST EXPRESS銀河」(2回目)・IGRいわて銀河鉄道「新米列車 白銀のひかり号」編

鉄旅(国内) ※観光列車も
銀河

■はじめに
 今回は、地域も内容も異なる2つの観光列車に乗車してくる。
 1つ目は、このシリーズの26回目に乗車済みであるJR西日本のWEST EXPRESS銀河である。その時は山陰地方への夜行列車であったが、今回は南紀地方からの昼行列車である。行先も内容も(乗車するクラスも)異なるため、2回目の乗車をすることにした。豪華なグリーン座席と新宮での宿泊、往路の特急「くろしお」指定席が付いて、30,300円也。
 2つ目は、このシリーズ初登場となるIGRいわて銀河鉄道である。これまでこの会社によるこの手の「食事付き観光列車」の企画を見た記憶がないが、「新米列車 白銀のひかり号」の運行情報を発見したので、申し込んでみた。新米のおにぎり以外に3種類のおかず、フリー乗車券とお土産用のお米が付いて、4,500円也。
 WEST EXPRESS銀河については、ツアーの出発点が京都駅になっている。往路は新幹線の「ぷらっとこだま」で移動して、復路は大阪に宿泊して高速バスで帰ってくることにした。
 新米列車については、JREバンクの4割引特典を使って、往路は新幹線、復路は在来線(常磐線)の特急で帰ってくることにした。

■2025.10.28
 早朝に家を出て東京駅に向かい、6時57分発の新幹線「こだま」に乗り込んだ。ぷらっとこだまプランは、時間こそ要するが、急がない旅には重宝できるツアーである(ドリンク引換券もあるため、エビスビールと交換した)。
 京都には10時34分に到着した。ここからは、事前郵送されてきた切符での移動となる。

@おとなびツアー

 在来線で新大阪まで移動して、しばし時間調整をしてから、特急「くろしお」が出発するホームへと向かった。待ち構えていたのは、少し古めの車両(くろしお使用車両の中では一番古い)であった。

@くろしお

 定刻の12時13分、新大阪を出発した。大阪市内を抜け、住宅街を走り続け、和歌山を過ぎてしばらくすると長閑な景色になってくる。車内放送では懐かしい「鉄道唱歌」のチャイムが流れているが、これは「特急くろしお60周年」関連のイベントであるという。
 しばらくすると、右手に海が見えてきた。明日も見る予定であるが、座席表によれば明日はおそらく山側の座席であるため、ひたすら海の写真を撮り続けた。

@海1

@海2

 16時40分、終着の新宮に到着した。駅から数分歩き、ツアーに含まれているビジネスホテルに投宿した。
 夕食であるが、近場のスーパーに向かってみた。「せっかくであるから地の物を」と思って探してみると、紀伊勝浦産のマグロなどを発見した。

@これで呑む

 締めの品であるが、これぞ和歌山という感じの「めはり寿司」があったので、紀州の唐揚げと共に買ってみた。

@夕食

■2025.10.29
 観光列車の出発は14時00分であるため、それまではたんまりと時間がある。まずは、朝の散歩として熊野速玉大社などの「歩ける範囲」の観光をしてきた。

@熊野速玉大社

 散策を終えてホテルに戻ったが、10時までにチェックアウトをしないといけない。テレビでメジャーのワールドシリーズを少し見てからチェックアウトして、阿須賀神社を参拝したり、駅前の観光案内書で銀河のクリアファイルをもらったりして時間を潰した。
 それでもまだまだ時間があるため、観光のためにJRで少しだけ移動することにしている。切符を買ってホームに向かうと、60周年イベントでカラーリングされた「くろしお」が係留されていた。

@昔風

 現代の特急にはヘッドマークが無いため、昔風のヘッドマークらしきものを貼っているのが少し「取って付けた」感が丸出しである。
 10時52分発の各駅停車に乗り込み、有井で下車した。まず向かうのは、花の窟神社である。歩いて15分ほどで辿り着いた。日本最古の神社とも言われており、通常の神社であれば御社があるが、ここは巨大な岩石である。

@神社です

 隣接する道の駅でスタンプを押してから、駅方面に戻った。
 その途中で寄ったのが、歴史民俗資料館である。展示品は民芸品中心であるが、2階の奥の貯蔵庫にあるのが、唯一の鉄道ネタである。

@これを見に来た

 12時50分の各駅停車に乗り、13時20分に新宮に戻ってきた。
 銀河の出発までまだ時間があるが、駅構内では地元の人が準備中である。今日は特別に地元のお菓子が振る舞われるということなので、有難く1つ頂いた。

@どれか1つを選ぶ

 なおお菓子以外にも、手土産も配布されていたのでそれも頂いた。バッグの中にバッグが入っている「マトリョーシカ方式」であり、手ぬぐいなども入っていた。

@手土産

 まだ時間があったためしばし商店街を散策してから駅に戻り、ホームに向かった。前置きが長くなってしまったが、やっと銀河の登場である。
 13時45分過ぎくらいに、やっと銀河が入線してきた。

@2回目の銀河

 ホームでは、地元の観光協会の人や幼稚園児、ゆるキャラが出発に向けてのお見送りに備えて準備中であった。

@ゆるキャラ

 あれこれ写真を撮ってから、1号車のグリーン車に入って行った。グリーン車は車両全体でも8人しか座れない(座席としては16席あるが、ベッドとして利用する場合は1人で2席分使ってしまうため、実質の定員は8人である)。

@自席

 事前にさらっと調べた限りでは山側の席かと思っていたが、実際は海側であった。これならば、今日もすばらしい海の景色を堪能できそうである。
 定刻の14時00分、地元の人や駅員などに見送られて新宮を出発した。紀伊勝浦や太地での停車時間は短いが、駅員やゆるキャラが出迎えていた。

@ゴン太くん(太地駅)

 14時51分、串本に到着した。ここで16分停車する。ホームに降りると、ピンバッチやステッカーが貰えた。ここでも、ゆるキャラのお出迎えである。

@今日はゆるキャラ尽くし

 駅構内では物販が行われているが、甘いもの(饅頭)であるため興味はそそられない。そこで観光協会の建屋に向かうと、「うつぼの揚煮」が売っていたので買ってしまった。ウツボについては、和歌山や高知に来るとどうしても買いたくなる品である。

@戦利品

 定刻の15時07分、串本を出発した。車内では、大学生による観光アナウンス(録音)が流れている。
 続いての観光用停車は、周参見(すさみ)である。15時45分に到着した。ここでも、バッジを貰うことができた。
 駅構内ではコーヒーが売っていて行列ができているが、今はコーヒーという気分でもない。しかしよく見るとお土産としても売っていたため、それを買ってみることにした(デザインも鉄道ネタであるし)。

@買ったものと貰ったもの

 定刻の16時09分、周参見を出発した。車内では、検札を兼ねて記念乗車証が車掌から配られた。
 17時を過ぎてくると、夕日タイムである。ちょうど海が見える区間(岩代駅付近)であったため、綺麗な夕日を拝むことができた。

@夕日

 車内アナウンスがあり、4号車(ラウンジスペース)で観光協会による観光案内や物販があるということなので、向かってみた。高校生が考えたという最中の試食(1個まるごと)があったためそれを頂き、寿司が売っていたので、それを夕食用に買ってみた。

@買ったものと貰ったもの

 白浜や紀伊田辺、御坊で乗降の停車をして、続いての観光停車は海南である。すっかり暗くなった18時06分に到着し、ここで40分の停車となる。
 ここでも、もちろんゆるキャラたちがお出迎えである。

@ゆるキャラたち

 銀河に乗車する場合、JR西日本のウェブサイト(tabiwa)で事前に食事を申し込むことができる。よって事前に、「鱧こけら寿司」(750円)を買ってある。ということで、それを受け取りに向かった。

@買った寿司と、ホームで貰った記念品と、車内でもらったカード

 なお寿司を受け取りに行くと、その横で試飲が行われていた。日本酒か梅酒かということで、本来であれば日本酒を選ぶところであるが、空きっ腹に日本酒だけというのも危険であるため、珍しく梅酒を頂くことにした。

@右が私の好み

 18時46分、海南を出発した。
 外はもう、暗くなっている。ということで、せっかくであるから寝台モードにしてみることにした。机を折り畳み、座席の後部を前側に倒すと、ベッドの完成である。寝具は無いが、横になれば久々の寝台車気分である。

@寝台車になった

 横になってスマホをいじったりしているうちに次第にビルが多くなり、和歌山や日根野を経由して、あべのハルカスが見えてきて、20時03分に到着した天王寺で下車した。これで、2回目の銀河の旅は終了である。
 なぜ終着の京都まで行かなかったのかというと、到着が遅くなるだけでなく、インバウンドの影響で京都のホテルが劇的に高いのである。よって今日は、新今宮の激安ホテルである(3,200円に、じゃらんのクーポン2,000円を適用させて、たったの1,200円)。

@意外に良い部屋

■2025.11.1
 最寄駅を6時過ぎに出発して大宮に向かい、新幹線「こまち」号に乗って盛岡までやってきた(「はやぶさ」号だと横5列になってしまうため、敢えて「こまち」号を選択)。
 9時10分に盛岡に到着。昨晩から早朝にかけて大雨が降ったせいでJRの在来線は止まっているところもあるが、IGRいわて銀河鉄道は予定通り動くという(ウェブで確認済)。
 しかし改札に向かってみると、「倒木で停電」ということで、1時間ほど遅れるということであった。仕方ないため、盛岡市内を適当に散策した。

@当てもなく歩く

 11時少し前、駅に戻ってきた。しかし、イベントに使用する車両はやっと二戸を動き出したということで、盛岡に来るのが11時45分頃。そこから急いで準備をするということなので、またしても待ち時間の追加である。
 もう歩く気力も行先もないため、待合室で座席を確保してネット三昧である。

@そろそろ動く

 11時頃に安全確認が取れ、11時27分発の列車から運行を再開した。しかし、観光列車用車両はまだ到着すらしていないため、しばし待つのみである。
 当初の出発予定は10時20分であったが、予定より2時間くらいの遅れになりそうとのことであった。

@行先案内

 しばらくして、受付が開始された。受付で配布されたのは、名札のようなもの(実はこれが切符)と、袋に入ったお茶などである。食材は、途中の3つの駅で配布されることとなっている。

@名札のような切符

 やっと改札が開いたため、ホームに向かった。しばらくして、折り返しに観光列車となる車両が入線してきた。通常の敵列車として使用されている車両である。
 自由席であるため、我先に車内に入って数少ないボックス席を確保した。
 ホームでは、三社(JR東日本、IGRいわて銀河鉄道、三陸鉄道)の「新米」社員がお見送りである。

@新米社員

 車内では、最終準備が行われている(中吊り広告用スペースに、「白銀のひかり」の宣伝を貼ったり、ごみ袋を設置したり)。そして定刻から遅れること2時間5分となった12時25分、やっと出発した。
 車内では、IGRいわて銀河鉄道や県庁職員によるアナウンスが行われた。そして12時38分、最初の停車駅(食材積み込み駅)である滝沢に到着した。配布されたのは、白銀のひかりのおにぎり3つと、マグロの煮付けである。

@おにぎりとおかず1品

 おかずを作った店主による説明があってから、同駅を12時51分に出発した。本来は各駅で30分停まる予定であったが、出発が遅れたため、積み込みと挨拶だけに短縮されている。
 沿線風景は刈り取られた後の田んぼであるが、この辺りに作付けされていたのは「銀河のしずく」であるという。
 13時06分、2つ目の積み込み駅であるいわて沼宮内に到着した。ここでのおかずは、メンチカツ・唐揚げ・ソーセージと「がっつり系」である。

@おかず一式

 ここでも店の人による挨拶と説明があり、そして13時17分に出発した。
 続いての停車駅は、奥中山高原である。13時28分に到着した。ここで積み込まれたのが、郷土料理である「ひっつみ汁」である。ここの店主は話好きのようで、ずっと質問を受けてそれに対する説明をされていた。

@ひっつみ汁

 この駅では20分ほど停車するということなので、跨線橋を渡って駅舎まで行ってみた。待合室では、すでにストーブが点いていた(さすが東北)。
 同駅を出発して、14時17分、二戸に到着した。JRとIGRいわて銀河鉄道双方の駅長と、ゆるキャラによるお出迎えである。

@今日もゆるキャラ

 お三方によりお土産が配布されて、観光列車の終了である。先月28日にデビューしたばかりの「白銀のひかり」であるが、今年度分はすべて岩手県内で消費されるということであり、他県民が賞味できるのは来年度以降である。この観光列車内に千葉県民がいるかどうかは不明であるが、私が初めて食べる千葉県民かもしれない。

@お米など

 観光列車の「おまけ」として、同駅を14時25分に出発し、金田一温泉にやって来た。駅では小さなイベントが行われており、いくつかの売店が営業して、またホームではプチ温泉体験ができるようになっていた。

@温泉体験

 それらを見てから、14時50分発の臨時快速(ここまで観光列車として使用されていた車両)に乗り込み、盛岡へ戻った。二戸と好摩しか止まらないため、超快速である。
 盛岡でJRに乗り継ぎ、17時15分に北上に到着した。今日は、ここで宿泊することにしている。
 出だしでかなり遅れた旅程であったが、実は北上到着は予定通りである。観光列車が「各駅で30分停車」でなくなったのと、臨時快速の時刻が変更となり盛岡での接続が良くなったためである。

@奥中山高原駅にて

■2025.11.2
 今日は、在来線経由でひたすら帰るだけである(各駅停車で仙台に向かい、そこから特急「ひたち」と「ときわ」を乗り継ぐ)。よって、旅行記にはならないため、詳細は省略である。
 出発時刻も遅く設定したため、北上駅に向かう前にSL公園に行ってみた。SLだけでなく除雪車や車掌車もあり、意外に賑やかであった。

@除雪車メインで撮影

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