プチ移住第5回・北海道富良野市編(1日目~4日目)

プチ移住
富良野駅

■はじめに
 今回のプチ移住は、第3回目の帯広に続いての北海道である。9月とは言えまだ残暑もあると思われるため北海道にしたが、まさかこんな酷い残暑(9月半ばを過ぎているのに35度に迫る気温)になるとは思わなかったため、良いタイミングとなった。天気予報を見てみると、富良野の朝晩は8度くらいまで下がるようである。半袖短パンで行ったら大変なことになるため、長袖や羽織るものをいくつか荷物に入れ込んだ。
 道央ということで、移動の利便性を考えると本当は旭川が良かったのであるが、まだ観光シーズンということもあり、安いホテルが見付けられなかった。あれこれ探し、富良野駅からかなり遠い場所にある宿(もちろんキッチン付き)が1泊6,000円であったため、そこを8泊(じゃらんのクーポンを適用させて42,000円)で押さえておいた。往復の移動については、JALで往復20,700円で押さえることができたため、安い部類であろう。

■2025.9.17
 猛暑の中、昼前に家を出て(駅に付くころには大汗)、羽田空港に向かった。
 14時20分発予定の旭川空港行の便は、到着便が遅れたため25分以上も遅れて離陸し、旭川空港には16時25分頃に到着した。37分発のバスに間に合うかどうか微妙であったが、なんとか大丈夫であった。
 外に出ると、うすら寒い。長袖の出番である。

@これで富良野市内へ

 「ラベンダー号」に乗り、富良野市内へ。駅前を過ぎて、基線バス停で下車して今回の塒となる宿に向かった。
 テレビも何もない部屋で、トイレとの仕切りもカーテンだけであるが、1人だけであるし動画もPCで観られるから問題はない。

@質素な部屋

 荷物を置いて一段落した時点でもう18時を過ぎているため、今日は複雑な料理はしないつもりである。歩いて20分弱の場所にあるスーパーへ行き、地元精肉店のホルモン、富良野の納豆、ふらの米を使ったかつ丼などを買ってきた。

@今日は簡単に

■2025.9.18
 朝は、日課通りにまずは散歩である。昨日は自宅で朝6時前から歩き始めたのに、帰ってくる頃には汗だくであった。しかしここは富良野、朝の気温は8度である。長袖の上にさらに薄手の長袖を羽織って歩き出したが、それでも少し寒いくらいである。
 宿は富良野の「北の峰」地域にあり、周囲はホテルやスキー場などがある。

@すがすがしい

 今日は、2024年に正式に廃止となった根室本線を訪問することにしている。バスの出発は9時台で余裕があるため、8時過ぎに宿を出てプラプラ歩き始めた。
 まず向かったのは、市役所の近くにあるSLのD51「フラヌイ号」である。

@まずは鉄ネタから

 その後は、小学校の校庭にある「北海道中心標」を見てから駅に向かった。
 これから乗る「ノースライナー」号は、旭川から帯広まで行く定期路線バスである。今日は富良野駅前から道の駅南ふらのまで乗る予定であるが、切符はネットで決済してある。
 旭川から来るため、バスは13分ほど遅れてやって来た。

@これで移動

 富良野から南富良野へ移動する場合、ふらのバスの西達布線があるが、ノースライナー号の方が安く移動できるのである。
 富良野駅前を出発し、時折廃線跡を跨線橋で超えて、10時25分に道の駅に到着した。
 まず歩き出して向かったのが、幾寅駅跡である。

@幾寅駅

 「幌舞駅」とあるが、これは映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台となった場所だからである(周囲には映画セットで仕様された店舗なども残っている)。駅舎内には、映画に関する様々な資料も展示されていた。

@展示

 私は何度かこの駅を利用したことがあり、駅前にあったカレーが有名であった宿に泊まったこともある。しかし、いつの間にかその宿もなくなり、JR自体も廃線となってしまい、高倉健はもうこの世にいないし、広末涼子はお騒がせ女優になってしまっているし(関係ない?)、時代は変わったという感じである。

@もう列車は来ない

 15分ほど歩いて道の駅に戻り、スタンプを押してからは、物産館を見て周った。特に買う予定はなかったが、大きな「訳あり」ブロッコリーが130円で売っていたため、これは買いである(自炊ができる宿にいるからこその買い物)。また、この道の駅でしか買えないポテトチップスもあったので、併せて買ってみた。

@こんなに大きくて130円

 帯広からやって来た11時15分発予定のバスは、11時20分に道の駅を出発した。横3列の、高速バス仕様である。
 富良野駅までは戻らず、山部バス停で下車した。その理由はもちろん、すぐ近くに山部駅跡があるからである。
 駅跡は、バス停から歩いてすぐであった。駅名などは外されてしまっているが、ホームもレールも残っている状態であった。

@山部駅

 駅周辺を探索した後は、歩いて南下し始めた。この先に、富良野博物館があるからである。
 歩き始めて思ったのは、「交通量がかなり多い」ということである。過去に何度かこの区間のJRを乗ったことがあるが、いつも車内はガラガラであった。結局、ほとんどの人が車を使うため、JRが無くなっても影響ないのである。
 しばし歩いて、博物館に到着した。なぜこのような辺鄙な場所にあるのかというと、廃校を再利用しているからである。

@富良野博物館

 無料であるため、受付は通らず中に入って行った。何か鉄道関係はあるかと思って探してみると、森林鉄道関係や、山部駅の危険品庫、銃撃を受けたレール、富良野機関区関係の物品など、意外に大量であった。

@その一例

 博物館の目の前にはふらのバスのバス停(22線)があるため、そこから12時35分発のバスに乗って富良野方面に戻った。
 駅前までは戻らず、フラノ・マルシェで下車した。ここには富良野関係の食材が多く打っているため、その下見である。

@マルシェ

 続いては、ふらのワイナリーまで歩くこととする。歩いて50分くらい掛かるが、どうせ時間はあるし、全く暑くないから問題ない。
 それにしても、富良野などもう何度来たか覚えてないくらいであるが、ワイナリーまでは来たことがない。というのも、鉄道旅行ばかりしていたため、「駅から気軽に歩ける場所」しか行ったことがないのである。
 ワイナリーまであくせくと歩き、見学をした。

@良い景色

 ワイナリーを後にして、スーパーに寄って買い物をして、宿に戻った。この時点でまだ15時半くらいであるが、今日はもう終了である。
 買い揃えた食材であるが、道の駅で買ったブロッコリーとポテトチップス以外に、マルシェで買ったカレーとドレッシング(賞味期限の関係で少し安くなっていた)と、スーパーで買ったミニトマトである。いつもはブロッコリーはマヨネーズで頂くが、今日はこのドレッシングで食べてみようと思う(肉関係は昨日の余りを使う)。

@一式

■2025.9.19
 昨日は根室本線の廃止区間を観光したが、今日は「まだ生き残っている」区間を訪問することにする(赤平と芦別)。
 宿を出て30分ほど歩き、JR富良野駅までやって来た。まだ鉄道が残っている区間であるため、当然鉄道での移動となる。待ち構えていたのは、非冷房の1両編成であった。

@鉄旅開始

 定刻の7時41分、たった4人だけの乗客だけで富良野を出発した。少ないが、以前は滝川から東鹿追(当時の終着駅)まで、ずっと乗客が私1人だけであったこともあるから、それよりはマシである。
 芦別で乗客が結構増えて、赤平には8時26分に到着した。駅舎は、田舎町にしては意外なくらい立派である(駅以外の施設も入っているため)。

@立派

 駅を後にして小さな市街地を歩き、ぐるっと迂回する感じで駅の裏手までやって来た。ここにある「北炭赤間炭鉱選炭工場跡」を見るためである(案内板があったので読んでみると、赤平は映画「ドライブ・マイ・カー」の撮影地であったという)。

@工場跡

 その後は、しばし歩いて旧住友赤平炭砿立坑の外観を見てから、無料で見学できる「炭鉱遺産ガイダンス施設」へと向かった。鉄道関係展示はあるかしらと思って探してみると、茂尻(もしり)駅(赤平駅の隣駅)に関する展示があった。茂尻駅など、今となっては単なる無人駅であるが、炭鉱で賑わっていた頃は人も多かったのであろう(なにせ「駅長」がいたくらいであるから)。

@展示品

 一通りの展示を見終えてから、歩いて駅に戻った。
 駅には券売機が無く、その代わりに嘱託のような人がいて切符を売っている。芦別までの切符を買ってみると、懐かしい「印刷された」切符であった(最近は自動券売機ばかりであり、こういう切符は珍しくなってきている)。

@懐かしい

 ホームに移動し、10時12分発の富良野行に乗り込んだ。車内の乗客は15人以上いて意外に賑わっているが、顔つきや言葉からすると、インバウンド率はかなり高めである。
 定刻の10時28分に、芦別に到着した。ここからは、三井芦別鉄道跡を巡ることとする。
 ということで、ひたすら徒歩である。「クマなんか出るなよ~」と思いつつ1時間ほど歩き、まず辿り着いたのがリサイクル業者の建物である。これは、三井芦別駅であったものである。

@駅の再利用

 そこから更に20分ほど歩いて、やっと辿り着いたのが「炭山川橋梁」である。三井芦別鉄道の橋梁がそのまま残っていて、ディーゼル機関車などが置いたままになっている場所である。

@橋梁と車両

 なおこの橋梁は、「日本遺産」に指定されている(指定されているのは橋梁だけであり、車両は含まれていない)。
 すぐ近くを国道が通っているため、側面からも撮影するためそちらにも行ってみた。

@横からも

 これで廃線跡の探索は終了であるが、再度1時間半も歩いて駅に帰るのが億劫である(足も痛い)。そこで近場にあったバス停を見てみると、12時39分にバスが来るではないか。ということで、バス停で一休みしながらそのバスを待つことにした。

@やって来ました

 件のバスに乗り、町中へ戻る。この後は道の駅方面に行く予定であるが、駅で降りても市立病院で降りても似たような距離である。そこで、病院で降りてしまうことにした。
 降りる直前、鉄的なものがふと見えたためそちらに向かってみると、三井芦別炭鉱で使用されていた坑内車両であった。偶然の出会いである。

@鉄ネタと遭遇

 そこから15分ほど歩いて、道の駅までやって来た。そして、隣接する「星の降る里百年記念館」に入ってみた(料金は200円)。
 さて、鉄道ネタはあるかしらと思って探してみると、倉庫のような場所に、廃駅となった島ノ下駅や滝里駅の駅名標が展示してあった。

@今は亡き駅

 なお炭鉱関係コーナーには、三井芦別鉄道関係の備品や切符なども置いてあった。切符類は足元の目立たない場所にあったため(最初は見逃していた)、それ目的で行く人は要注意である。

@備品類

 見学後は道の駅に行き(いつものようにスタンプ押印)、スーパーに寄ってから駅に戻り、15時32分発の列車で富良野に戻った。
 今晩は、芦別のスーパーで買った辛くない唐辛子と、富良野で仕入れた地元卵(プチ移住で定番になりつつある食材)、それと富良野産ポーク「いちばんぼし」である。豚肉は、生姜焼きにでもしようと思う。

@今日の一式

■2025.9.20
 今日は、「道北一日散歩きっぷ」を使って上川や名寄に行くことにしている。この切符の使用可能範囲には富良野が含まれているが、残念ながら富良野では買えないため、旭川までは別料金で移動しなければならない。
 ということで、バスで移動である。この方が宿からバス停が近いし、しかも安いのである。
 今朝の富良野は6度。長袖2枚の上にさらに1枚羽織って出掛けた。

@今日はバスから

 美瑛などの美しい丘の中を走り続け、旭川空港を経由し、8時31分に旭川駅に到着した。
 まずは、件の切符を手に入れなければならない。この切符は旭川・深川・永山でしか買えず、しかも事前購入も不可(利用当日のみ購入可能)なのである。明後日もこの切符う使うが、今日と同様に旭川までは別料金での移動が必要である。

@無事購入

 しばし時間を潰してからホームに向かい、9時08分の上川行に乗り込んだ。定刻に出発。
 私は旭川出身であるが、母親が上川出身であるため、小さい頃に何度か上川の家には行ったことがある。当時とは様子は違うが、里帰り気分である。
 10時09分、上川に到着した。郷土資料館にでも行こうと思ったが、なんと土日は休館であるという。仕方なく、街中をブラついただけで駅に戻ってきた。

@上川に来た証拠

 子供の頃に行った釣り堀に行きたいが、今日は時間がない。ニジマスの釣り堀であり、刺身でも食べることができた。子供時分は塩焼きの方が好きであったが(刺身だと川魚独特の苦味があるため)、大人の今なら刺身の方が旨いに違いない。
 これからは旭川に戻るが、乗車するのは「特別快速大雪」である。これは、特急「大雪」が廃止となり、それに代わって生まれた快速列車である。
 旭川までノンストップなのは良いが、見ての通り(右側にある遠軽行の各駅停車と同じの)普通の車両である。短距離なら良いが、網走から旭川までこの車両の硬い座席は、かなりの「修行」であろう。

@特別快速

 車内は結構混雑していたが、進行方向とは逆側の席になんとか座った。定刻の11時11分、上川を出発した。JR北海道は、快速化に合わせて車内の座席を改良させると言っているが、今日時点ではまだ各駅停車と同じであった。
 ノンストップで旭川まで快走し、11時51分に到着。12時32分発の名寄行に乗り換え、名寄には13時55分に到着した。
 駅から歩き、やって来たのは「キマロキ」編成である。

@キマロキ

 キマロキとは、機関車の「キ」、マックレー車の「マ」、ロータリー車の「ロ」、機関車の「キ」を繋げたものである。冬になるとカバーで覆われてしまうため、秋口までに訪問するのが必須である。
 編成のすぐ近くには、北国博物館がある。220円を支払って中に入ったが、鉄道関係は廃駅となった北星駅関係などがあった。

@綿の看板も北星駅にあったもの

 歩いて駅に戻り、14時42分発の旭川行快速に乗り込んだ。すでに満席であったため、最前部に立ち続けて景色を見続けた。
 旭川で富良野行に乗り換え、富良野到着は17時41分。ここで今日は終了である。
 夕食であるが、昨日まで買っていた野菜などが残っているため、その片付けが中心である(しかし、鰊が安くなっていたため買ってしまったが。やはり、魚も食べたい)。また、北海道っぽいものということで、締めのために「やきそば弁当 北見焼肉味」を買ってみた。

@北海道仕様

■2025.9.21
 この日は、「ノロッコ」号に乗ることにしている。食事関係もあるため、「大人鐡シリーズ」に入れることにした(来週、別の観光列車に乗るため、それと併せて旅行記にしたいと思う)。

@紹介は後日に

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