■はじめに
北海道帯広市でのプチ移住であるが、7日目は鹿追や瓜幕方面(北海道拓殖鉄道関係)、8日目は帯広市内及び近郊観光、9日目は浦幌や豊頃観光である。
■2025.8.5
今日は、4日間にわたるバス旅の最終日である。昨日までは十勝バスばかりであったが(2日の昼過ぎに乗った上士幌行だけが拓殖バス)、今日は拓殖バスばかりである。鹿追や瓜幕は北海道拓殖鉄道が走っていた地域であるため、その影響もあるのであろう。
帯広駅バスターミナルを7時52分に出発する然別湖畔温泉行に乗り込んだ。

@然別湖行
比較的乗客が多かったのは帯広市内だけであり、音更高校前で学生が降りてしまうと、車内は2~3人程度になってしまった。
平原の中を走り続け、9時14分に到着した瓜幕バス停で下車した。交差点の向かいには、瓜幕駅跡を示す公園が整備されている。

@瓜幕駅舎跡地
北海道拓殖鉄道は新得から上士幌までの鉄路であり、北海道の開拓と開発に貢献したが、モータリゼーションの波を受けて1968年にはすべて廃止となってしまっている。だいぶ前に廃止になっているため、路盤などの跡を探すのは非常に難しい。

@路線図
駅跡を確認したので次のバスに、と行きたいところであるが、この先へ進むバスは1日に4本しかなく、次のバスまで2時間もある(4本しかないのだから、2時間後というは逆に幸いなくらいである)。ということで、数分歩いて道の駅に向かった。
かなり小さな道の駅であり、大規模休憩スペースのようなものはない。机と椅子があったが、イートイン用のようである。ということで、「肉じゃがまんじゅう」なるものを買って頂くことにした。

@270円
すぐに食べ終え、その後はPCを突いたり目の前を歩いていく馬を見たり、である(目前にライディングパークがあり、乗馬などができる)。
しばしPC作業をしたが、バスの時間までまだ1時間弱もある。「鹿追チーズ工房」なるものがあるようなので歩いて行ってみたが、なんと休業日。仕方なく、適当にブラブラして時間を潰した。
11時17分発のバスに乗り、然別湖には11時42分に到着した。前回訪問時は真冬であったため、氷のない然別湖は新鮮である。

@空気が奇麗
折り返しのバスまで1時間半以上もあるため、しばし散策である。湖面を覗いてみると、魚(ウグイ)が山のように泳いでいる(釣り針を落としたら「入れ食い」確実である)。ショックと言えば、前回訪問時に利用したホテルが廃業して廃墟になっていた点くらいであろうか。
ネイチャーセンターのフリースペースで一休みしてから、13時20分発のバスに乗り込んだ。定刻に出発。

@自衛隊の横を通る(展示用戦車あり)
13時58分、鹿追営業所で下車した。目的は、近くにある拓殖鉄道で使われていたSLである。
営業所から歩くこと少し、芝生の多い公園にSLと小さな貨車が展示されていた。これは、北海道拓殖鉄道で活躍した8622号機関車である。

@SL
バスの時刻まで、まだ1時間以上ある。この近辺で観光要素となれば神田日勝記念美術館であるが、私はそこではなく、図書館に併設されている郷土資料室に足を向けた。というのも、どうやら拓殖鉄道に関する資料があるらしいのである。
図書館の職員に見学する旨を告げて、2階にある資料室のドアを開けてもらった。拓殖鉄道関係は、以外にたくさん展示されていた。

@拓殖鉄道コーナー
昔の写真以外にも、タブレットや切符類、行先標(表紙写真)や工具など、多種多様の展示物であった。
見るべきものを見てから下に降りて、建物を後にしようと思った際に入口付近で見つけたのが、なんとシャープのX1である。1980年代前半からコンピューターに触れていた人だけしか分からないであろうが、私のPC歴はかなり古く、まずはMZ-80Kに始まり、その次がこのX1であった(しかも、私が持っていたのもこの深紅色であった)。コンピューターなのにテレビが観られるという、今となっては当然のことであるが、40年以上前は画期的だったのである。

@久々のご対面(X1)
まだ少し時間があるため、道の駅へ歩いて行った。今日は関東では40度超えが続出しており(最高は41.8度とのこと)、鹿追も31度まで上昇していて暑いが、歩けない気温ではない。
しかし道の駅は小さくて、フリースペースもなかった。暑さを逃れるため近くにあった町民ホールに避難していると、偶然にも鉄道ネタを発見した。有形文化財「拓殖鉄道と川西鉄道の交差橋台跡」とのことである。

@偶然発見
15時22分、中市街バス停から帯広行のバスに乗り込んだ。ここ数日は乗客が少ないバスに乗り続けてきたが、ついに私1人だけという状態になってしまった。途中の高校などで乗って来るかと思ったが、誰も乗ってこない。
音更の町に入ると、白樺並木が見えて来る。バスの本数がもう少し多ければ、降りて歩いてみたい場所である。

@白樺並木とヒマワリ
16時01分、プロスパ6という謎めいたバス停で下車した(バス停名は目の前にあった建物の名前であった。そして結局、ずっと乗客は私1人だけであった)。
ここで降りたのは、士幌線の音更駅跡が近くにあるからである。そこに向かってみると、駅舎は無かったが、車輪を使ったモニュメントや特殊車両、SL、車掌車など、たくさんの関連するものが展示されていた。

@その例
16時17分発のバス(今日初めての十勝バス)に乗り、帯広市内へ。駅前バスターミナルより少し手前で降りてアーケードなどを歩いてから、昨日と同様に循環線バスに乗ってホテル近くまで戻った。
■2025.8.6
今日は、JRを使って東方面に観光することにしている。具体的には、池田、浦幌、豊頃である。
駅まで歩いて行き、池田までの切符を買って2両編成の各駅停車に乗り込んだ(この辺りの各駅停車はほとんど同じ形式の車両になってしまうため、別の写真を紹介)。

@帯広駅もキャンペーン中
7時53分に帯広を出発し、池田には8時20分に到着した。陸別へのバス旅で経由したばかりであるため、妙な感じである。
観光施設が開くのは9時以降であるため、しばし待合室で過ごしてから、ワイン城と十勝川資料館を観光してきた(池田町にも郷土資料館があって廃線となった鉄道関係の資料があるということなのだが、駅から12キロくらいも離れているため、断念である)。

@ワイン城
10時52分発の釧路行に乗車し、浦幌へと向かった。11時21分到着。
まずは駅から8分くらい歩いて、図書館と同じ建物にある浦幌町立博物館へと向かった。動物関連や民俗関係の展示を見つつ、「さすがに鉄道関係は無いかな」と思っていたところ、2017年に閉業した上厚内駅に関する展示があった。

@鉄道ネタもあり
博物館を見終えた後であるが、さらに先に歩けば道の駅などもあるためそちらに行きたい気持ちがあるものの、12時04分発を逃してしまうと次は3時間半以上先になってしまうため、もう駅に戻ることにした。
券売機が無いため窓口で切符を買い、件の新得行各駅停車に乗り込んだ。

@切符
途中の新吉野で列車待ちの長時間停車(特急に抜かれたり行き違ったり)があり、豊頃には12時36分に到着した。ここで下車したのは、もちろんハルニレの木を見るためである。
土手のような部分を40分ほど歩いて、やっとそこに到着した。

@ハルニレの木
そのまま同じ道を戻ったのでは早く着き過ぎてしまうため、住宅街を迂回するようにして戻ったが、14時過ぎにはもう駅近くまで来てしまった(次に乗る列車は15時59分発)。コンビニがあったのでそこに行き、北海道豊富町産の牛乳を使用したソフトとコーヒーの「豊富セット」(勝手に命名)の購入である。
駅の待合室は風通しが悪いため、駅前にあったコミュニティーセンターのベンチでそれらを頂いた。

@豊富セット
小一時間ほどYouTubeを見て(PCとWi-Fiは持参している)、目の前にある駅に向かって15時59分発の列車に乗った。
帯広で降り、歩いてホテル方面へ。今日スーパーで買ったのは、釧路産のおひょう(カレイ)と、帯広市内の唐揚げ店の総菜である。それ以外は、これまで買っていたものの残り物を片づけることにした。

@食材
■2025.8.7
自由に行動できる日としては最終日であり、今日は帯広市内の観光である。
朝方は雨が強かったためしばらく部屋でゆっくりして、9時半頃に出掛けた。今日は雨模様であり、半袖ではうすら寒いくらいである。
広尾線の愛国駅跡を目指すが、その前に、ホテルから歩いて20分弱のところにある「天陽の馬小屋」というところに寄ってみた。これは、朝の連続ドラマ「なつぞら」(広瀬すず主演)のロケで使用されたものであるという(私はドラマは観ていないが)。
(なお昨日までの旅行でも、各地で「なつぞら」関連の展示があった。鉄道関連の紹介を中心にしているため、割愛していただけである)

@中を覗くこともできる
雨が降ったり止んだりの中、国道を歩き続け、川西の集落で左に曲がり、約1時間半経過した11時20分頃に愛国駅跡に到着した。愛国というのは部落の名前であったものであり、何かにあやかったものではない。現時点でも、住所は「帯広市愛国」である。

@愛国駅
観光地化されているため、幸福駅ほど賑やかではないが、ちらほらと観光客が車やバイクで乗り付けて来る。駅舎内には、以前使用されていた関連物品や写真などが、たくさん保存されていた。広尾線の駅跡としては、展示品が一番充実しているのではないだろうか。
そしてホームには、SLが保存されている。

@9600形
強くなってきた雨の中を歩いて川西方面に戻り、次にやって来たのは「とかち農機具歴史館」である。ここには、トラクターやその他の農機具が数多く展示されている場所であり、無料で見学することができる。

@一例
隣接した場所にある農家住宅を見学し、その後は交流センターのフリースペースで「なつぞら」の展示を見たりして雨宿りをした。
復路はもう歩く気などないため、川西バス停に移動して、12時43分発のバスに乗り込んだ。
帯広の中心部まで移動して、合同庁舎に近いバス停で下車した。そこから歩いて南下してJRの高架に近づくと、レールを使ったオブジェや柵が見えて来る。

@レールを使っている
この場所は士幌線が通っていた場所であるが、これらのレールは広尾線の愛国と幸福の間のものを使っているものである(広尾線は、この位置とは逆方面に伸びていた)。
その先を歩いて行くと右手に遊歩道が分岐して行くが、これが士幌線の廃線跡である。小さい車輪を使ったベンチがあり、また鉄道関係の遺構も残っている。

@士幌線の名残
遊歩道と分かれて、続いて目指したのは帯広競馬場である。ここに来た理由は、無料で入れる馬の資料館があるからである。帯広競馬場自体は過去に2回ほど来たことがあり、馬券も買ったことがあるが、資料館に入るのを忘れいてたのである。

@帯広競馬場(今日は休場)
物産館があったので買い物をしてから、雨もだいぶ小雨になってきたため、1時間ほど歩いてホテルにいったん戻った。
物産館で買ったものであるが、黒豆が500グラムで500円、じゃがいも(北あかり)がたったの99円、そして更別のポテトチップスである。これらは、すべて自分用土産である。

@戦利品
なお十勝地方は、モール系の温泉で有名である。当初は十勝川温泉でも行こうかと思っていたが、意外に遠いし、日帰り施設も高額であった。そこで調べてみると、帯広市内でも温泉があり、ホテルから歩いて15分くらいの場所にもあった。ということで、そこに行ってみることにした。
ホテルのタオルなど一式を持ち、温泉へ。500円を支払って中に入った。

@ひまわり温泉
モール系の茶色いぬっとりとした湯に浸かり、温泉を後にした。
さて、今日は最後の夕食である。これまでジンギスカンや刺身などは食べてきたが、いまだに十勝牛も豚丼も食べていない(最初にジンギスカンとホルモンを買い過ぎたか)。卵などの食材もまだ残っているため、今日は牛か豚かどちらか一品が限度である。
スーパーに行ってみると、十勝清水の豚がちょうど半額になっていたため、豚丼のタレと一緒に買ってきた。

@今日の食材
■2025.8.8
今日は、8時台の空港連絡バスで帯広空港に向かい、10時の便で羽田に戻るだけである。酷暑の関東地方に戻りたくはないが、仕方がない。
空港移動だけでは新たな旅ネタはないと思うため、帯広で更新作業をしてしまおう。
次のプチ旅であるが、まだまだ残暑もあるため涼しい地域にしたかったが、飛行機などの関係で確保できることができなかった。ということで、まさかの群馬県伊勢崎市(8月24日~9月1日)である。やけくそで、「更に暑いところへ」である。

@今回の滞在で最も利用したマックスバリュ稲田店
【以下もご覧ください】
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