プチ移住第2回・徳島県徳島市編(7日目~最終日)

プチ移住
キハ40系

■はじめに
 徳島県徳島市でのプチ移住、7日目以降については、徳島近郊のローカル観光地を徒歩や路線バス(雨が降っていなければホテルの無料自転車)で周る予定であったが、これは梅雨を想定したものであった。しかし、異常気象で6月中に梅雨が明けてしまい、私が徳島に来てから数日は連日33度くらい、そして5日の土曜日からは連続して36度というとんでもない気温である。2~3分歩くだけで日差しが痛くて、とてもではないが徒歩観光などはメインにできない。
 猛暑でもできる観光方法、それは乗り鉄である。しかし、徳島線や牟岐線の観光は、もう終えてしまっている。この「プチ移住」シリーズでは、観光は宿泊する県内でというローカルルールを一応設定しているが、それに応じている場合ではない。ということで、四国フリーきっぷ(特急の自由席を含めて3日間乗り放題)を使って旅行をすることにした。徳島としてのプチ移住的要素は、夕食の食材くらいになってしまうが、仕方がないであろう。
 7日は高知方面へ、8日は松山方面へ、9日はNHKドラマで話題である地域を巡ろうと思っている。

■2025.7.7
 徳島に来てからはずっと朝はゆっくりしていたが、これから3日間は切符を有効活用するため、すべて5時台の特急から旅行を開始することにしている。
 5時20分頃、ホテルを出発した。昼間はとても歩けないくらいの日差しであるが(特に5日土曜日以降)、この時間帯であればまだ27度くらいで涼しく、問題はない。

@ホテルはリバーサイド♪

 駅に到着し、目の前に停まっている特急に乗り込んだ。高松行の「うずしお」号であり、たったの2両編成で、そのうち1両半が自由席である。JR四国ではこのような2~3両の短い特急を頻発してくれるので、有難い。

@うずしお

 定刻の5時41分、徳島を出発した。先述した通り今日から3日間は、すべてこの特急で旅行を始めることにしている。
 車内は空調も効いて快適で、リクライニングシートでもあるし、コンセントやWi-Fiもある。設備的には、高速バスに追い付いた感じである。
 板野を出発してしばらくすると峠区間に入り、香川県に向かって行く。

@山深くへ

 香川県側に入ると多くの駅に停まっていくが、通勤や通学での短距離利用も多いようで、自由席はどんどん埋まっていった。
 6時55分、高松に到着した。「徳島のプチ移住」ではなくなってしまったが、仕方がない。

@ついに香川県に

 次に乗るのは8時25分発の特急「しまんと」号であり、6時台の「うずしお」で徳島を出発しても間に合ったのであるが、「しまんと」の自由席の混雑具合が不明であったため、早く来た次第である。
 よって時間が余っているため、市内にあるSLを見に行った。駅から歩くこと約15分、SLに辿り着いた。

@C58

 撮影後は遠回りをしてアーケード街を経由して歩き、駅に戻った。
 8時15分過ぎ頃に、特急「しまんと」が入線してきた。見た目は「うずしお」と全く変わらないし、同じ2両編成で自由席が1両半というところも同様である。
 車内に入ったが、自由席はまったく混雑していなかった。明後日に同じ列車に乗る予定であるため、混雑情報は参考になった。

@しまんと

 定刻の8時25分、高松を出発した。予讃線を快走し、多度津からは土讃線に入って行く。空調の効いている車内から景色を見続けるのは、やはり楽である。

@琴平周辺

 峠区間になり、秘境駅として有名な坪尻を通過して、阿波池田にやって来た。一昨日に来たばかりであるが、酷暑の影響による予定変更でここに何回も来ることになってしまった(今日の午後や明後日にも来る予定)。
 阿波池田を出発してしばらくすると、大歩危・小歩危となる。右側の窓側に座っているため、大歩危峡を眺めることができた。

@この先が大歩危峡

 朝起きたのが3時台ということもあり、少しウトウトとしてしまった。気付くともう、土佐山田付近である。
 平らな路盤になるとさらに快走して、高知には定刻の10時37分に到着した。徳島県だけのつもりが、ついに香川県に続いて高知県にも来てしまったことになる。

@3県目

 今回の旅では、保存されているSLを良く訪問している。高知駅からも徒歩15分くらいのところにSLがあるようだが、この酷暑の中を歩く気になれない。そのうちプチ移住で高知にも来るであろうから、後回しである。
 しかし駅にいても仕様がないため、頑張ってアーケードまでは歩いて行った。市場の食材を夜用に、と思いそうになるが、夕食くらいは徳島にしないといけないため、割愛である。高知でプチ移住する際は、毎日カツオとウツボの繰り返しで良い。

@ひろめ市場

 大きな本屋があったのでそこで立ち読みをして涼んでから、駅に戻った。アーケードの切れ目から駅までは10分くらいかと思うが、痛いくらいの暑さである(傘も役に立たない)。
 ホームに行って12時13分発の特急「南風」号を待つ。入線してきたのは、アンパンマン車両であった。

@南風

 この車両は(「南風」に限らず「うずしお」なども)、右側の先頭座席は前方を見渡せるようになっている(少し視野が狭くなるが)。ということで、そこに座った。
 定刻に高知を出発。高知らしい食材は買わなかったため、せめて「車内のお供」は高知っぽいものを買ってある。

@芋けんぴ

 往復とも右側の窓側に座っているため、見える景色は反対側である。往路では大歩危峡を見ることができたが、復路では今度は小歩危峡を拝むことができた。
 13時22分に阿波池田に到着したので、そこで下車した。
 一昨日と同様に殺人的な日差しであるが、今日も工場跡を利用した大規模ショッピングセンターに歩いて向かった。というのも、ここには廃線跡があるからである。
 工場跡とは専売公社のことであり、今のJTのことである。かなり大きな敷地であり、土讃線から引込線が出ていたのである。
 うだるような暑さの中を歩き、そこに辿り着いた。

@引込線跡

 撮影した後は、すぐにショッピングセンターに避難である。
 先日も利用したスーパーをぐるぐる歩いていると、ここでも珍しい焼き肉のたれを発見してしまったので、購入してしまった。ラベルを見ると那賀郡で作られているとあるから、ずいぶんと山奥のようである。

@こういうのを探すのが楽しい

 駅に戻り、待合室で少し休憩してから、徳島に戻るべく特急「剣山」号に乗り込んだ。今となっては化石と言ってもいいくらいの、国鉄型の特急用車両である。国鉄時代の特急車両は、電車はすべて定期運用から外れてしまい、気動車についてもJR四国だけである。

@化石

 定刻の14時30分、阿波池田を出発した。一昨日も乗ったばかりの区間であるが、今日は特急であるため、徳島までの所要時間は1時間21分しかない(トロッコでは2時間半くらい要していた)。一昨日に観光案内を聞いたばかりなので、あれこれ思い出すものが見えて来る。
 徳島には、15時51分に到着した。よく使っているスーパーはホテルより南にあり、スーパーの最寄り駅となると阿波富田になる。ということで、16時発の列車に乗り、阿波富田で下車した。
 駅から歩き出したが、もう16時台だというのに、まだ日差しが痛い。

@暑過ぎ

 スーパーに行ってみると、徳島産のハモがあった。こんなクソ暑い日には、ハモを梅肉で頂くのがぴったりであるため、それを確保した。
 メイン食材であるが、高知のくだりで「夕食くらいは徳島にしないと」と書いておきながら、阿波池田のスーパーで香川名物の骨付鶏(しかも親鳥)が半額で売っていたため、つい買ってしまっている。私は親鳥が大好きで、悪く言えば硬すぎて噛み切れないくらいなのであるが、半額の誘惑もあってつい買ってしまったのである。

@こんな組み合わせに

■2025.7.8
 今日も5時台にホテルを出て、徳島駅に向かった。そして今日も「うずしお」号に乗車するが、一番前の右側が空いていたので、そこに陣取って前方を眺めることにした。
 なお先日、鉄道が交通系ICで乗車できる日本地図というのがネット上にあり、徳島県だけがぽっかりと色が抜けていた。徳島駅の改札のところにはこのような注意書きがあるが、最後の砦はいつになったら解消されるのであろうか。

@使えません

 定刻に徳島を出発。峠を抜けて香川県に入ると、右手には海が見える区間もある。
 6時55分に高松に到着した。次に乗る「いしづち」号の出発まで40分以上あるが、手持無沙汰である。駅前に7時に開店するうどん店があるが、「徳島ラーメンすら紹介していないのに、讃岐うどんはないな」ということで、却下である。
 7時20分頃にホームに行ってみると、「いしづち」号はもう入線していた。

@いしづち

 今回の旅で乗ってきた各種特急との違いは、「電車である」という点である(これまではすべてディーゼル車)。5両編成であり自由席は2両あるが、指定席のシートはアップグレードされている反面、自由席はボロいままである。
 車内で座っていると、反対側に寝台特急「サンライズ」号が到着した。香川県にプチ移住する際は、移動手段はもちろんこれにしようと思う。

@だいぶ前に乗車経験あり

 定刻の7時37分、高松を出発した。さすがに電車であり、加速もスムーズである。停車した駅からは、高校生も乗ってきた。通学としての利用もあるようである。
 宇多津が近づくと、右手の高架には岡山から来ている特急「しおかぜ」号が近づいてきた。あの編成は、こちらの編成の後ろに着くことになる(よって、こちらの編成の最後尾と、あちらの先頭車両は尖っていなくて、平面である)。

@ドッキング前

 宇多津で連結されて8両編成になり、出発した。こちらとしては、ひたすらのんびり景色を眺めるだけである。予讃線は、海の見える区間が多いから景色の変化が多い。

@海

 10時06分、松山に到着した。ついに、愛媛県にも来てしまったという感じである(徳島県だけのはずが)。
 しかし、松山については近日中に来てみたかった駅でもある。というのも、2024年9月に駅舎が高架化されており、まだ訪問していなかったのである。
 現在は古い駅の設備などが絶賛解体中であり、新駅と解体の両方が見られるのは、あと少しかもしれない。

@こういう状態

 折り返しは11時23分発の特急に乗る予定であるため、簡単な観光は可能である。ということで、松山市駅近くにある「坊っちゃん列車ミュージアム」に行くことにした。
 傘を差して歩いて辿り着いたが、入口が分からない。結局、スターバックスを通り抜けないといけないことが分かった(何も買わずに通り抜ける)。
 ここには、各種展示物以外にも、1号機関車(ただし模型)が置かれている。

@機関車模型

 見学を終えてからは、暑いのでもう歩きたくないが、仕方なくJR松山駅に戻った。
 特急列車が入線して来たので乗り込もうとしたが、「いしづち」の自由席はボロ座席であることを思い出した。私はこれから移動して丸亀で降りる予定であるため、「しおかぜ」側に乗ることも可能である。「しおかぜ」の方の自由席を見てみたら少し良い席になっていて電源も付いていたので、そちらに座ることにした。

@いしづちVSしおかぜ(連結部)

 定刻の11時23分、松山を出発した。左側の方が海が見えるし日も当たり難いが、同じ景色を繰り返して見るのも面白くないため、右側に陣取った。
 13時27分、丸亀で下車した。日差しは相変わらず痛いため、シャッター商店街に避難である。
 商店街が終わると、その先には丸亀城が見えている。あそこに行こうと思っていたが、もうとても行く気力はない。ということで、平たいところを歩くだけである。

@シャッターアートで代替

 駅に戻り、14時08分の快速列車に乗り込んだ。各駅停車や快速はドアの開閉が多いため、特急より冷房が強いと思う。まるで、真夏のオアシスであった。
 14時33分に高松に到着した。さてどうしようかと思っていたところ、15時10分発の徳島行「うずしお」号がすでに入線しているではないか。有難く涼しい車内に入り、PC作業である。定刻に出発し、一路徳島へ。
 徳島到着後は、スーパーへ食材探しに。割引になっていた阿波自然鶏の肝と、阿波尾鶏の総菜を購入した。揚げ物は駅前ビルの地下で買ったものであり地物でも何でもないが、地元のローカル店舗製造ということで、無理やり「徳島もの」である。

@一式

■2025.7.9
 今日もまた、5時41分発の特急「うずしお」号からである(もう、これの写真は不要でしょう)。
 しかし今日は終点の高松までは行かず、途中の志度で降りることにしている。本来であれば徳島県内の札所でプチお遍路をいくつか行おうと思っていたが、猛暑で不可能となったため、駅からほど近い志度寺に行くことにしたのである(香川県の寺であるが)。
 6時36分、志度に到着した。86番札所までは、歩いて10分程度である。

@五重塔もある

 お遍路でここに来たときは「ついにもう86番か」と感慨深げであったが、今日は単なる朝の散歩という感じである。この札所付近は平賀源内関連の施設もあるため、昼時に観光するのであればそれらも訪問必須であろう。
 駅に戻り、7時22分発の各駅停車高松行に乗り込んだ。通勤通学時間であるため、4両連なっている。
 7時50分に高松に到着し、しばし駅ビルにある店舗を見て回ったりして、そして次に乗るべきは8時25分発の特急「しまんと」号である。

@2日前に乗ったばかり

 連日猛暑であるが、それが影響して一部地域では雷雨もあり、昨日の午後は土讃線の一部区間で規程の雨量を超えてしまい、阿波池田から大歩危方面が運休になっていたという。今日はもう影響がないが、再度そうならないことを願うのみである。
 定刻に出発し、2日前と同じ景色を眺めていった(よって紹介は省略)。
 乗り換え予定である土佐山田を超えて、御免には10時30分に到着した。今日はアンパンマン(やなせたかし)関連シリーズにするつもりであり、そうなると彼が育った御免は外せないであろう。
 痛烈な日差しの中、再整備された駅前を歩いて行った。

@石像

 NHKドラマ「あんぱん」の影響もあるのか、仮設の新しい観光案内所も開いていた。商店街には石像があったりするが、肝心の商店街自体がシャッターだらけである(ここに限った話ではないが)。
 駅に戻ったが、近くにスーパーがあったので涼むためにそこに逃げ込んだ。ここでも珍しい焼肉のたれを発見してしまったが、すでに2本も購入済みであるし、高知のものは高知滞在の際に買うことにした。
 そこの2階で安い夏物靴下を数点購入し、駅に戻った。次に乗るべきは、11時05分発の土佐山田行である。

@各駅停車

 定刻に出発し、土佐山田へ。11時14分に到着した。
 ここからは、11時40分発の美良布(びらふ)行バスに乗ることにしている。このバスはJRバスであるため、フリー切符で乗降可能なのである。
 駅構内や階段のところだけでなく、あちこちがアンパンマン関係のキャラクターばかりである。駅前に観光案内所があるが、ここも然りである。

@キャラクターだらけ

 バスの出発までまだ時間があるが、すでにバスが駅前ロータリーに停まっており、ドアも開いていてもう乗っている人もいたので、私も中に入って涼むことにした。もちろん、アンパンマン一色のバスである。

@JRバス

 駅に到着した特急列車からの乗客も、バスに移動して来た。このバスの終着地にはアンパンマンミュージアムがあるため子供連れが多いことはもちろん、インバウンドの方による中国語も聞こえて来る。
 定刻に出発して、美良布には12時06分に到着した。しかし、私の目的地はアンパンマンミュージアムではない(過去に訪問済みであるため)。ということで、美良布神社や、大通りから逸れている古い道を歩いて見て回った。

@神社

 歩いている前半は雨雲みたいなのが近づいて日差しが遮られて歩きやすかったが、後半はまた日照りになってしまった。集落を一周した後は、道の駅の横にある物産館に向かった。
 鯖寿司など惹かれるが、ここで買って持って帰るのは難儀である。暑いこともあり、地物のアイスがあったのでそれを買い、道の駅に座れる広いスペース(机あり)があったのでそこで頂いた。

@アイス

 バスの出発までかなり時間があるため、40分くらいPC作業をしてからバス乗り場に向かった(道の駅は空調も効いて快適)。13時40分に出発し、土佐山田駅には14時05分に戻ってきた。
 続いて乗るのは14時25分発の特急「南風」号であるが、アンパンマンシリーズを締め括るように、アンパンマン列車であった。

@アンパンマンが続く

 定刻に出発したが、大歩危に近づくにつれて大雨になっていった。運休にならないことを祈るばかりである。
 15時21分、阿波池田で下車した。雨は上がっているが、雨雲レーダーによれば先ほどまでの豪雨の中心部分であったため、辺りはTシャツだけではうすら寒いくらいである。
 さて、後は徳島に帰るだけである。この5日間で3回目(反対方向を含めれば4回目)の徳島線である。

@あんぱんも続く

 15時40分に阿波池田を出発し、徳島には17時49分に到着した。反対側のホームには、今回の旅で縁のなかったキハ40系が停まっていた(表紙写真)。これも、残りの命は短いであろう。
 夜であるが、駅前デパートの地下の魚屋は値段が高めなので使っていなかったが、徳島産の刺身が半額になっていたのでそれを2つ買ってみた。総菜は、昨日と同様に地元の店の揚げ物である(これも半額)。

@刺身

■2025.7.10
 今回は、徳島市内はあまり歩けなかった(2日目にある程度歩いたのと、4日目に寺町方面に少し歩いただけである)。最終日は帰るだけであるため、朝の5時くらいにホテルを出て、瀬戸内寂聴さん関連の見どころや、新町川付近の整備された歩道や眉山天神社などを、1時間ほど掛けて散策した。

@眉山も登らず終わってしまった

 今日は、10時55分のフライトで戻るだけである。8,450円と格安で押さえているが、ANAコインを4,000円分利用して、実質4,450円である。
 駅前を9時25分に出発する空港連絡バスに乗り、徳島空港に向かった。これで、2回目のプチ移住は終了である。
 次回のプチ移住は、7月30日から8月8日まで、北海道帯広市の予定である。

@今回の滞在で一番利用したスーパー「キョーエイ」

【以下もご覧ください】

プチ移住第2回・徳島県徳島市編(1日目~4日目)

プチ移住第2回・徳島県徳島市編(5日目~6日目)

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