プチ移住第1回・大分県別府市編(1日目~3日目)

プチ移住
臼杵駅にて

■はじめに
 さて、早期退職して最もやりたかったのが、「プチ移住」である。第一弾として、大分県の別府市に訪問することにした。
 通常の旅行であれば1泊2日(長くても有休を1日追加した2泊3日)であり、移動時間も含めると、観光できる時間は限られてしまう。訪問先は有名観光地優先になってしまうし、大雨であろうが酷暑であろうが、予定通りに進めなければならない。
 私のプチ移住では、10日くらい訪問することにしている(今回も、9泊10日にした)。こうすることで、まったりと時間を過ごし、有名でない観光スポットに行ったり、地元のスーパーで地元食材を買ったりできるし、天気が悪過ぎれば部屋にずっといればいいだけである。ということで、かなり前にバーゲン航空券を購入し、キッチンのある格安温泉宿を押さえておいた。

■2025.6.3
 今回の航空券は、往路が8,870円で復路が9,370円である。九州と考えれば(そしてLCCでないことを考慮すれば)、かなり安価であろう。
 大きなキャリーケースに自炊に必要なものを入れたりして、昼過ぎに家を出て羽田に向かった。今日は「沖止め」からの出発である。

@大分へ(バス車内から撮影)

 滑走路混雑で20分ほど遅れて離陸し、大分には定刻から15分ほど遅れた17時25分頃に到着した。
 後は別府に向かうだけであるが、大分空港のよろしくないところは、大分市まで45キロ以上も離れている点である。福岡空港くらいまで近くで便利でなくてもいいが、あまりにも遠すぎる(どうせ海上に飛行場を作るのなら、もっと別府や大分に近い場所に作ればいいのに、と思う)。

@とりあえずバスで移動

 45分ほどバスに乗り、別府北浜で降りた。宿までは、歩いて5分くらいである。
 今回は「はまゆう凪」という宿を手配している。9泊のうち金曜と土曜を除く日が3,800円で、金曜4,800円、土曜10,000円であり、トータルで41,400円。じゃらんゴールド会員のクーポンを5,500円適用し、ポイントを4,600使って、31,300円である。10日間も滞在することを考えれば、お安いであろう。

@ここが塒

 この時点でもう19時を過ぎていたため、この日は自炊はせず、駅に近いスーパーで安食材(割引後)を買って、温泉に入ってから酔って寝るだけである。

■2025.6.4
 移動日を外すと実質8日間も同じ場所に泊まるため、今日は近隣スーパーなどの偵察が中心である。

@駅前の油屋熊八像

 まずは駅に向かい、これまで何度か利用している駅近くのスーパーに行ってみた(昨晩利用したところ)。昨晩は刺身がほとんど無かったが、朝はたくさん揃っていた。
 続いては、高架下にある「べっぷ駅市場」である。駅に近い部分が大改装工事中であったが、離れ小島状態で一部は営業していた。鮮魚店もあるし、美味しそうな稲荷寿司もあったので、そのうち利用しようと思う。

@ここも候補

 市場を偵察した後は、山側にひたすら歩いて行った。見えてきたのは別府の隠れた名所「ラクテンチ」である。今日は休業日であるが、明後日くらいに来る予定である。

@別府と言えば

 ラクテンチの前で曲がって北上して、別のスーパーに行ってみた。駅近くにあるスーパーと同系列であったが、品ぞろえは違っていたので、今日はここで少し買い物をして行こうと思う。
 それより気になるのは、目の前に聳え立つタワーである。調べてみたら、グローバルタワーというものであった。

@巨大

 この手の展望台は値段が高いことがあるが、調べてみると300円ということなので、登ってみることにした。
 料金を払ってエレベーターに乗ったが、私は多少「高所恐怖症」の気がある。エレベータ内ですでにぞわぞわし始めたが、降りた時点でもうアウトである。

@景色は良いが…

 なぜ怖いのかというと、足元までガラス張りであることもあるが、実は天井などが吹き抜け状態であり、強風が吹いているのである。もちろん、風に押されて転がってもガラスがあるから下に落ちることはないが、足元が100メートル下まで見下ろせる状態で強風に晒され続けるのは、恐怖以外の何物でもない。

@こういう角度の方がより恐怖心を誘う

 いそいそとエレベーターで降りて、先ほどのスーパーに行って小ぶりの鯛(下処理済み)と地元の卵を買い、別府公園を通って駅方面に戻り、いったん宿に戻った。今日は30度近くまで気温が上昇するということで、とにかく暑い。しばし休憩である。

@戦利品

 しばしPCを突いたりして休憩してから、再度外に出た。今度は、駅の東南側にあるスーパーをいくつか見ることにしている。
 品ぞろえに大きな差はないが、やはり駅から少し離れた方がセール品が多いようである。割引になった味付け肉やマヨネーズ、ベーコンや酒などを買い込んで宿に戻った。

@商店街にある天狗

 宿に戻り、翌日の旅程を作成した(敢えて出発前には詳細を決めず、ぷち移住地に来てから翌日の予定を決めることにしている)。明日は、佐伯や臼杵に行くことにした。
 夕方になったので、まずは温泉に入り、そして夕食の準備である。自炊設備があると、まるで家にいるかのような料理で一献できるのが嬉しい。

@自宅気分

■202506.5
 自由に使える日が8日もあるため、そのうち半分くらいは鉄道を使った大分県内の小旅行をしようと思い、事前にJR九州の株主優待券をネットオークションで入手済である。4枚で5,000円であったから、1枚当たりたったの1,250円。乗り放題切符であるから、この上なくお得である。

@これを大活用

 なお、この優待券は以前にもチケットショップで買ったことがあるが、その際は1枚だけで2,800円くらいであった。なぜ安く手に入れられたかというと、使用期限が6月末までであるため、5月の連休明けくらいから「投げ売り」が始まるのである。別府から佐伯まで1,730円もするから、片道で元を取れてしまうのである。
 6時20分くらいに宿を出て駅に向かい、優待券に押印をしてもらった。

@今日は鉄道旅行

 中津方面からやって来た6時43分発の佐伯行であるが、2両とも超満員であった。平日の朝であるから、通学の高校生がほとんどである。
 すし詰め状態で定刻に別府を出発したが、大分でかなり下車したので座席を確保できた。その後は、臼杵でかなり下車してガラガラになり、佐伯には8時35分に到着した。

@久々の佐伯

 改札を出て、国道217号を南下して行く。しかし武家屋敷方面までは行かず、途中にある「野岡緑道」というところで左折した。形状からして察しが付くかもしれないが、実はここは鉄道の廃線跡なのである。

@野岡緑道

 古くは軍用で、その後は工場への引込線として利用されていたものである。
 廃線跡をしばらく歩くと、中川に行き当たる。以前はここに橋脚跡を再利用した橋があったのだが、現時点では撤去されてしまい、新しい橋の建設中であった。
 ぐるっと迂回して車道で中川を渡り、再度廃線跡を歩き続けた。フットパスとしても整備されているため、かなり手入れされている部分もあった。

@お洒落

 引込線が遊歩道になるというのは、「廃線跡あるある」であると思う。私は東京の武蔵境に住んでいたことがあるが、そこにも引込線跡を再利用した遊歩道があり、飼い犬の散歩コースの定番であった。
 後述するが、この近辺には日本軍の基地があったため、その名残で海上自衛隊も残っている。基地跡は、大きな造船所になっていた。

@廃線跡から造船所を眺める

 現総理である石破氏が防衛庁長官であった時代に記念植樹された木を過ぎると、この廃線跡の最後の見どころである鶴谷鉄橋広場である。幅の広い橋であるが、土台の部分は鉄道時代そのままに残っている。

@土台は鉄道時代のまま

 さて、廃線跡探索はこれで終わりであり、次の観光である。先述した通りこの付近には日本軍の基地があったため、関連する資料を展示する施設「平和祈念館やわらぎ」というのがある。戦争関係の展示施設はあれこれと考えさせられることが多く、見学後は鬱気味になりそうなので遠慮したいのであるが、そうも言ってられないので、見学することにした。

@やわらぎ全景

 他の施設との共通券(500円)を買い、館内へ。そもそも論であるが、なぜ佐伯にこのような施設があるのかとうと、佐伯は真珠湾攻撃の訓練地・出発地であったためである。
 さて、気分的にどんよりとしてしまったので、それを盛り上げるべく、「海の市場〇」という場所へ向かった。ここでは、握り寿司を自由に選んで買えるという。
 このような場所(豊後水道)にいるのだから、マグロやイクラは不要である。ということで、イサキ・メジナ・カマガリ・カスゴ・コチ・フエフキダイとう「超白身魚セット」の作成である。

@一式

 1個200円であるから、回転寿司よりは割高である。しかし、切り身がかなり大振りであり(一口で食べると口の中が魚だらけになる)、これだけで充分であった。
 それにしても、戦後80年、平和な時代になったものだと思う(基地跡近くで寿司を食べ、しみじみそう思った)。
 南下してまた駅方面に戻り、国道をさらに南下して、武家屋敷に向かった。続いての観光は、国木田独歩館である。

@国木田独歩館

 なぜここに国木田独歩関連の施設があるのかというと、彼が教師として佐伯に赴任した際に、ここに8か月下宿したためである。
 下宿していたという2階に上がったが、頭をぶつけそうなくらいの高さである(170センチ以上の人は普通に立てない)。定住はしたくないが、秘密基地のようであり、8か月くらいなら面白そうである。

@こんな部屋

 その後は武家屋敷群を歩いて、最後は歴史資料館に向かった。当初は訪問する予定は無かったが、共通券でここも見学できるため(共通券500円は、やわらぎ300円+独歩館200円と変わらない)、おまけで見学した。
 そして最後の観光は「イチローロード」である。イチローと言っても、野球選手ではない。50歳以上の方ならピンと来る人が多いと思うが、「お笑い漫画道場」の出演で有名な富永一朗氏のことである。

@5歳から中学(現在の高校)卒まで佐伯に在住

 駅に戻り、11時42分発の列車に乗り込んだ。3時間も歩いたため、疲労困憊である。
 本来は津久見でも降りてみようと思っていたが、もう疲れたため、残りの観光は臼杵だけにしようと思った。
 ということで、津久見はスルーである。

@津久見駅ベンチ

 そのまま乗り続け、12時14分に到着した臼杵で下車した。
 臼杵といえば石仏が有名であるが、大昔(たぶん25年くらい前)にバイクツーリングで来た際に訪問済みである。しかし、古い町並みはまだ歩いたことがないため、今日はそれらを回ることにしている。

@石仏は駅前にあるこれで代用

 まずは、城跡に向かった。もうこれ以上歩きたくないが、仕方がない。高台から景色を眺めると、ここにも大きな造船所があった。
 城跡を降り、その後は古い町並みを散策である。ふと思ったのは、アート関係が多いという点であった。臼杵の街紹介は他所でも多くあると思うので、ここではアート関係を紹介したい。

@神社にファンキーな奴がいたり

@タイルアートがあったり

@こんなのもあり

 その後は龍原寺の三重塔を見て、旧真光寺(無料で入れる)に行った。旧真光寺では2階から街並みを眺められるということで上がってみると、ここもまた秘密基地的な感じで面白かった。独歩館ではないが、短時間ならここで生活してみたいと思う。

@街を見下ろす

 観光も終わったので、そのまま駅には…戻らず、地元スーパーで食材探しである。蒲江のサバと杵築のイシダイ、それにローカル豆腐屋の厚揚げ(半額品)と地元農家の野菜を買えば、今晩の食材の大部分は揃ったことになる(晩に頂いたが、イシダイはゴリゴリの食感であった)。

@戦利品

 14時14分発の中津行に乗り、一路別府へ。今日はほぼ5時間も歩いて疲労困憊であるため、今後の徒歩観光はもう少し加減しようかと思う。30分ほど、疲れて寝てしまった。
 15時16分、別府に到着した。先ほどの買い物では締めのごはんに合わせるおかずを買っていなかったので、スーパーでチキン南蛮を買った。お隣の宮崎県の名産であるが、お弁当のヒライは大分・熊本・福岡・佐賀にしかないため、地元グルメとも言える。

@締めのおかず

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