プチ移住第9回・高知県高知市編(5日目~最終日)

プチ移住
半家駅

■はじめに
 高知県高知市でのプチ移住であるが、5日目は土佐くろしお鉄道「中村・宿毛線」沿線の観光、6日目は少し徳島県に浮気して箸蔵寺への観光、7日目はJR予土線沿線の観光である。

■2025.12.28
 今日からの3日間は、青春18きっぷ(3日間用)を使っての観光である(ただし、あまりお得にはならないが)。そして、今日と明後日は朝5時台の出発である。早起きである私でも、もう少し出発は遅くしたいが、各駅停車の本数が少ないので仕方がない。

@100周年

 5時過ぎにホテルを出て、高知駅に向かった。まだ朝の5時台だというのに、ホームには10人弱も待っている。1両編成がやって来たが、ボックス席は確保できなかった。
 真っ暗の中、定刻の5時39分に高知を出発した。しばらくは景色も見えないが、じきに明るくなっていった。
 しばらくして、土佐久礼に到着した。ここには何回か来たことがあるし、小さい市場でカツオでも買いたいところであるが、途中下車できるほどの列車の本数がないため、今回は割愛である。

@土佐久礼駅に近付く

 7時59分、窪川に到着した。ここで、土佐くろしお鉄道への乗り換えとなる。
 ホームで待っていると、JR側のホームにやって来たのは新幹線…ではなくて、それを模した予土線の各駅停車である。

@新幹線もどき

 しばし駅周辺を散策して時間を潰してから、ホームにやって来た運転手から一日券を購入した(日曜は窓口が閉まっているため)。たったの500円で乗り放題という、気前の良い切符である(普通に往復したら3,000円を超えてしまう)。

@たったの500円

 8時27分、窪川を出発した。新しい車両でJRよりも窓が綺麗であり、写真撮影には絶好である。
 9時24分、中村に到着した。ここで宿毛行に乗り換えるが、中途半端な時間があるため、しばし待合室でPCタイムである(コンセントがあった)。
 10時07分発の宿毛行に乗り込んだが、何のことはない、窪川から乗ってきた車両と同じであった。

@再度乗る

 定刻に中村を出発。トンネルと高架が多い路盤を走り続けて、宿毛には10時37分に到着した。
 宿毛には、これといった大きな観光地は無い。取り急ぎ、30分ほど歩いて道の駅に向かった。夕日が名物ということであるが、昼時でも充分に綺麗である。

@宿毛の海

 中心部に戻り、続いては地場産の品を売る店に行ってみた。バカでかい魚が格安で売っているが、ここで買うわけにもいかない。そこであれこれ見てみると、宿毛で作られている練り物が半額になっていたのと、「四万十のジャコみそ」なるものがあったので、それぞれつまみとご飯のお供として買ってみた。

@地物

 駅に戻り、12時37分発の中村行に乗り込んだ。中村着は、13時08分。再度また待合室で時間調整をして、14時05分発の窪川行に乗り込んだ。
 午前中は日差しの関係で海と反対側に座っていたが、復路では海側に陣取った。土佐白浜駅近辺では、綺麗な海を拝むことができた。

@午後の海

 中村・宿毛線の末端部分は、急勾配に対応するためのループ線(円状に走行するルート)がある。そのトンネルに入ったが、ずっと左回りであるため、トンネルの壁をずっと見ながら走っているようであった。
 ループ線を抜けると、信号所で特急列車と行き違った。

@特急待ち

 15時15分、窪川に到着した。ここで1時間20分以上も時間があるため、まず向かったのは37番札所である岩本寺である。この寺は駅から近く、また絶望的な長大な階段なども無いため、アクセスがし易い。お遍路をする前にも来たことがあるし、お遍路を結願した後にも来たことがあるため、よく覚えている。

@常連

 続いて向かったのは、地元のスーパーである。あれこれと探して、宿毛のタイと土佐久礼のキハダマグロの刺身を購入した。今晩は、これで一献である。

@地元の刺身

 そして、高知に来てからずっと探していたものをやっと発見した。それとは、ウツボである。お遍路の時に高知県内で2回ほど買ったことがあり、それ以来ファンなのであるが、なかなか売っていないのである。タタキ用ではないが、焼き過ぎない程度に焼いて刺身醤油で頂こうと思う。
 ご飯のお供には、四万十町産の豚肉を買ってみた。

@こちらも夜用

 駅に戻り、16時37分の須崎行に乗り込んだ。須崎到着まではなんとか外が見えたが、須崎発17時22分の列車に乗り、しばらくするともう景色も見えないため、この旅行記の作成タイムである。

@まだ景色が見えていた頃

 18時50分、高知に到着して、安ホテルへ移動して今日は終了である。ウツボは、想像通りにプルプル食感であった。

■2025.12.29
 今日は、箸蔵寺への観光である。本来は7月の徳島市でのプチ移住で行く予定であったのだが、予想外に梅雨が早く明けてしまい猛暑となってしまったため、「たくさんの階段など上がっていられない」となり、諦めていたのである。
 6時頃にホテルを出て、高知駅にやって来た。土佐山田行の各駅停車は4両も連なっているが、これは折り返しが通勤通学で使用されるからであろう。

@長い編成

 6時27分に高知を出発して、土佐山田には6時52分に到着した。ここで阿波池田行に乗り継ぐが、待っている人の列は意外に長く、しかも1両編成であったが、なんとか進行方向とは逆の窓側を押さえることができた。
 定刻の7時04分、土佐山田を出発した。列車は勾配を登り続け、最初の停車駅が新改(しんがい)である。ここはスイッチバックの駅であり、特急と行き違うために停車するので駅の外まで出てみた。

@特急通過待ち

 同駅を出発して、次に長時間停車したのが土佐北川である(土讃線は単線であるため、行き違いや追い抜きなどの関係で停車時間が長い駅が多い)。土佐北川は橋の上にあるという珍しい駅であり、そういう駅ばかりで停車時間があるのは嬉しいところである。

@またも特急待ち

 新改や土佐北川を個別に訪問しようとすると時間が掛かってしまうため、これらの駅を訪問するのであれば、土佐山田発のこの列車はお勧めかもしれない。珍しい駅を巡るアトラクションのようである。
 土佐北川を出発し、次のアトラクション(長時間停車)は土佐岩原である。駅前に出て、渓谷を撮ったりして時間を潰した。

@駅の近く

 土佐岩原を出発してしばらくすると、左手には大歩危の渓谷が広がってくる。この写真を撮るためにも、左側の窓側を押さえておくのが必須となる。
 林やシェードが多くて撮影はままならないが、大歩危峡から小歩危峡に向かうところで橋を渡るため、ここが絶好の撮影スポットとなる。

@一瞬の勝負

 そして最後のアトラクションが、小歩危駅である。以前に訪問したことはあるが(大歩危駅から小歩危駅まで歩いたこともある)、せっかく時間があるため、写真撮影タイムである。

@小歩危駅

 9時01分、阿波池田に到着した。箸蔵寺への最寄駅は土讃線の箸蔵であるが、各駅停車は数えるほどしかないため、今日は使うことができない。近くまで行くバスもあるが、こちらも数本しかないため、予定と合わない。そこで、9時34分発の徳島線に乗って佃で降りることにしている。こうすることで、ロープウェー乗り場までの歩き時間は40分くらいにすることができる。
 件の列車に乗って佃で降りて、ロープウェー乗り場に向かった。意外に高い場所にあるため、息を切らせながら到着した。

@乗り場

 往復の切符(1,700円)を買い、10時30分発のロープウェーに乗り込んだ。次第に高く昇って行き、5分ほどで頂上に到着した。
 箸蔵寺は、下車した目の前にある。「だったら猛暑日でも訪問できるのでは」と思われそうであるが、本殿などはとてつもない長大な階段の先にあるのである。

@先が見えない

 階段を昇り切って無事に参拝を終えて、階段を下りて御朱印を頂いて、これで今日のミッションは終了である。

@本殿

 ロープウェーに乗って、下山した。阿波池田駅への戻りであるが、当初は1時間10分くらい掛けて歩こうかと思っていたが、調べてみると1時間後くらいに佃発の列車があった。ちょうど良いタイミングであったので、佃駅に向かってそれに乗って阿波池田に戻った。
 帰りは、阿波池田発13時49分の列車である。復路でもいくつかのアトラクションがあったが、大杉駅での1葉を紹介しておきたい。

@大杉駅

 16時44分に高知に到着して、今日は終了である。スーパーに行き、チダイと室戸産のセイメイアジを買ってみた。前者は塩焼きにして、後者はそのまま刺身で頂くことにする。

@調理後

■2025.12.30
 今日は、予土線沿線の観光である。予土線には何度か乗ったことがあるが、途中下車したことは一度も無い。というか、降りて見るべきような観光要素が無いのである。
 5時にホテルを出て、高知駅にやって来た。一昨日にも乗った窪川行であるが、今日も意外に多い乗客であった。定刻の5時39分、高知を出発した。土佐久礼に近付いて行くと、朝日が昇って来た。

@朝日

 7時59分、窪川に到着した。さて問題は、乗り継ぐべき列車まで1時間40分もあるのである。久々に来た土地ならばプチ観光でもするが、一昨日に来たばかりである。そこでふと、若井駅まで歩こうと思った。というのも、窪川から若井までは土佐くろしお鉄道であるため、青春18きっぷでは乗れないのである。スマホで調べると1時間くらいで歩けるようなので、いそいそと歩き始めた。

@猫注意

 近所で1時間歩くのは大変であるが、雄大な四万十川を見ながらの散策であるから、苦ではない。
 若井駅付近に辿り着いたが、列車が来るまでまだ時間があるため、近くにある沈下橋へ行ってみた。沈下橋とは増水時には水面下に沈んでしまう橋であり、今は近くに立派な橋があるから問題ないが、それが無い時代は重宝されたのであろう。四万十川には、たくさんの沈下橋がある。

@沈下橋

 若井駅に向かって、9時45分発の宇和島行を待った。やって来たのは、残念ながら新幹線もどきではなくて、普通の車両であった。予土線には新幹線もどき(正式名称は「鉄道ホビートレイン」)以外にも、海洋堂とコラボした「かっぱうようよ号」など多種多様な面白い列車があるのだが、残念ながらハズレである。

@無念

 定刻に出発し、四万十川沿いに走り続けた。トンネル区間が多いため、1両の列車は快走して行った。
 10時32分、半家で下車した。予土線で途中下車することを考えて、まず思い付いたのがこの駅である。何もない無人駅であるが、読み方が「ハゲ」であることから有名な駅である。

@ハゲ

 特にすることもないため、10時54分発の窪川行で折り返した(残念ながら、また普通の車両であった)。今日は青春18きっぷの利点を活かして、行ったり来たりすることにしている。
 これまで来た鉄路を戻り、土佐大正で下車した。ここで長時間停車するため多くの乗客が降りたが、実質的に下車したのは私だけであった。
 駅舎の前には案内板があるが、未だに「国鉄」である。

@国鉄土佐大正駅

 30分弱歩いて郷土資料館に行ってみたが、残念ながら年末年始休暇であった。目の前にあった道の駅に行ってスタンプを押してから、町内にある神社や旧家を見て回った。旧家も年末年始休暇中であったが、外から見る分には可能である。

@古い家

 歩いて街中に戻り、適当に散策した。「焼酎銀行」などあり、面白い町並みであった。
 地元のスーパーがあったので入ってみると、煮物やサラダが半額になっていた。地の物では全くないが、こちらに来てから毎日肉や魚ばかりであったので、優しい総菜が懐かしい。ということで、今晩はこれにしてみた。

@ついでに唐揚げも

 駅でしばし時間調整をして、13時46分発の宇和島行に乗り込んだ(これまた普通の車両)。下車したのは、十川(とおかわ)である。無人駅であるが、駅スタンプが近くの振興局にあるという掲示があった。「しかし年末だしなぁ」と思ったが、日曜でも押せると書いてある。行ってみると、最初の自動ドアは開くような仕様になっていて、いつでも押せる状態であった。

@スタンプ有り

 スタンプの柄にある通り、この辺りはこいのぼりで有名である。次回は、その季節に来てみたいものである。
 周辺を散策してから駅に戻り、14時52分発の窪川行を待った。今日はこれまでずっと普通の車両であったが、やっと「かっぱうようよ号」がやって来た。

@やっと遭遇

 定刻に十川を出発し、窪川方面に向かった。当初予定では窪川で乗り換える予定であったが、復路もやはり1時間以上の待ち時間がある。ということで、再度また若井駅から歩くことにした。210円の節約になるし、四万十を見ながら歩くこともできる。
 若井で下車して、朝に歩いた道を戻って行った。

@復路も猫注意で

 窪川駅に到着し、16時37分発の須崎行に乗り込んだ。須崎からは17時22分発の列車に乗り、高知には18時50分に到着した。

■2025.12.31
 今日は、ただ帰る日である。時間に余裕があるため、市内中心部を散策してから連絡バスに乗って空港へ向かった。
 次回のプチ移住は、1月13日から22日まで、沖縄県那覇市の予定である。

@高知駅前の像

【以下もご覧ください】

プチ移住第9回・高知県高知市編(1日目~4日目)

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