握力の鍛え方

FIRE生活 ※投資話も
握力

■「NISA損切り民」という事実

 NISAも次第に有名になり、これまで投資をしてこなかった人も興味を持つようになっており、実際に投資を始める人も多いようである。

 しかし、昨年8月の株価下落や、今月の関税ショックによる下落に直面して、せっかく始めた投資をやめてしまい(狼狽売りしてしまい)、市場から逃げてしまう人が少なからずいるという。ネット上では「NISA損切り民」などと呼ばれていて、私は架空のネタかと思っていたが、実際に多いようである

 売却してしまう理由には様々あるのだろうが、要するに「握力がない」のが一番の理由であろう。

 NISAを始める前に、例えば「米国のS&Pならば年率平均7%超え、ここ10年に限れば約10%」という話を聞いて、以下のようなシミュレーションを頭に描くのであろう。

図1 「毎月10万円を年率10%で積み立て投資」した場合のシミュレーション

(SBI証券のシミュレーションで作成)

 しかし、実際にはこのように順調には増えず、上述したような下落に直面して「怖くなって」売ってしまうのである。

 当たり前の話であるが、「株価は上下するもの」である。毎日の相場もそうであるが、年度によっても大きなトレンドがあり、例えばS&Pの場合、直近では2022年に大きな下落を経験している。

図2 S&P 500 Historical Monthly & Annual Returns

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 ITバブル崩壊後は2000年から3年連続でマイナスであり、リーマンショックがあった2008年は大幅な下落、また2018年にも比較的大きなマイナスがある。このような年度に投資を開始した場合、当然しばらくはマイナスが続くが、そこで怖くなって逃げてしまったのでは、その後に続く上昇の波に乗ることができないのである。

■私の場合(投資信託の成績)

 私は2006年に投資を開始したが、当初は個別株中心であり、まともな成績を残せなかった(この辺りについては、後日詳細に記載したい)。

 そこであれこれ勉強をし直して、2016年から投資信託の積み立てを開始した(どのようなファンドを買っていたのかについては、これも後日紹介したい)。初年度の成績は以下である。

 この年の利回りは7%弱であり、可もなく不可もない成績である。年間を通して利益は5万円にも達しておらず、可愛いものである。

 翌2017年は、以下である。

 この年も順調に資産は増えて行き、初めて2桁以上の利益となった。

 そして、問題の2018年である。

 約24万円のマイナスである。2年も掛けて増やしてきた利益をすべて飲み込み、トータルでもマイナスとなってしまった状況である。

 たった3年であるが、されど3年である。3年も投資信託をやってきたのに、その結果がマイナスである。挫折しそうになる場面であるが、もしここで「もう投資なんて懲り懲りだ」と逃げ出していたら、今の資産は無かったであろう

 ひたすら続けた結果、2019年は以下である。

 2018年のマイナスを逆に飲み込んでしまい、トータルでもプラスに復活である。

 そしてその次の2020年。

 投資信託の銘柄変更をしたことによる売買があるが、この年だけで75万を超えるプラスである。年率としては2018年より低いが、分母の金額が増えたことによる影響が大きい

 年内中にコロナショックがあって、この数字である(コロナ時に投資から逃げなくて、本当に良かったと思っている)。

 そして2021年。

 ついに160万を超えるプラスである。年率15%超え+分母が大きくなったことによる恩恵で、資産増加を身で感じる額である。

 そして問題の2022年。

 100万円を超えるマイナスである。もし「投資直後にマイナス100万」なら逃げてしまったかもしれないが、2021年までのプラスがあるため、ここでも逃げず、ひたすら積み立て投資の継続である。

 信じて積み立て投資を続けた結果、翌2023年は以下である。

 この年だけで300万円に近いプラス(人によっては年収に近い?)である

 そして2024年。

 400万を超えており、もう「ちょっとしたサラリーマンを1人雇っている」ような状況である。

■今後の私の方針

 今月に入り、トランプ関税で株価は大きく下がっている。もしかしたら今年は、2022年のように大幅に下落する年になるかもしれない。しかし私は、市場から逃げず(狼狽売りせず)、ひたすらホールドするだけである。

 皆さん、この記事を読んで、握力は充分に付いたでしょうか。であれば、ぜひ「投資握力全国大会」に参加しましょう。この大会の存在を知らない場合は、以下をご覧ください(「反面教師」的に観てください)。

「Fラン大学就職チャンネル」より

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