■はじめに
これまでこのシリーズでは「鉄道マニア向けツアー」に参加してきたが、今回は鉄路(廃線跡と未成線)を訪問する2つのツアー(ハイキング)に参加して来る。
1つ目は、安中市が主催してJREモールで申し込みができるものであり、信越本線の碓氷峠を歩くものである。正式名称は「軽井沢→横川~廃線ウォーク信越本線上り線踏破~〈軽井沢11Tからスタート 碓氷峠〉」であり、イベント開始時のみ立ち入りが許可されている廃線跡を巡るツアーである。峠の釜めしが昼食として付いてきて、8,200円也。
もう1つが、茂木町が主催してJTBで申し込みができるものであり、未成線(完成しなかった路線)である長倉線を辿るものである。正式名称は「秋の里山を満喫! 未完の鉄路「長倉線」を歩くガイド付きツアー(踏破コース)」であり、普段は立ち入り禁止となっているトンネルにも入ることができるツアーである。硬券切符やガイドブック、おにぎり弁当や和菓子が付いて、7,000円也。
・過去のシリーズ
【大人の社会科見学1】新幹線車両基地見学ツアー
【大人の社会科見学5】新幹線浜松工場見学ツアー(おまけで特急「おうめ」)
■2025.11.22
往路は軽井沢まで新幹線で移動して、復路は横川から在来線だけで戻ってくることにしている。JREバンクの優待券(4割引)がちょうど2枚残っていたため、それを使って移動することにした。
6時過ぎに自宅を出て、大宮に向かう「しもうさ」号に乗り込んだ。

@割引切符
大宮発7時49分の新幹線に乗り込んで、軽井沢には8時42分に到着した。受付は9時からであるためしばし時間調整をしてから、旧軽井沢駅付近にある仮設受付へ向かった。渡されたのは、ステッカーと受信機である。

@今日の一式
9時30分に受付付近に再集合をして、ツアーが開始された。少し歩いて旧路盤が分岐する地点へ行き、そこから廃線跡を歩くこととなる。
今日は上り線を歩くが(東京へ向かう「上り線」という意味であり、勾配としては「下り」である)、その前に、まずは下り線の見学である。

@下りの廃線跡
鉄道好きの人には説明不要であるが、念のため記しておくと、碓氷峠は交通の難所であり、最初に敷設された鉄道はラックレール(歯車のような方式)があるアプト式であった。その後に新しい路線が開通したが、66.7パーミル(1キロ進む毎に66.7メートル標高が上がる)という急勾配であるため、専用の機関車が電車を補助していたのであった。

@66.7パーミルの標識
上り線へ移動して、トンネルへと歩いて向かった。ガイド付きのツアーであるため、信越本線や碓氷峠に関する歴史の説明が行われ続けている。
今日は、11号トンネルから下って行き1号トンネルまで歩くルートとなっている。

@最初は11号トンネルから
トンネル内は、歩きやすい部分と歩きにくい部分がある。バラスト(石)がある部分は、枕木(コンクリート製)の上を歩くのが一番楽である。
しばらく歩くと、鉄筋で補強されている部分が現れてくる。ここは、決して崩落しているという訳ではなく、実はこの上を北陸新幹線が走っているのである。

@そのための鉄筋
その先をしばらく歩いて行くと、長野県と群馬県の県境に辿り着いた。つまり、碓氷峠の大部分は群馬県側にある訳である。なお、廃線跡の管理自体は県境で分かれているのではなくて、11号トンネルを抜けたところまですべて群馬県側であるという。

@県境
その次は順番通りに10号トンネルとなり、そしてその次は、今回のハイキングで一番長い9号トンネル(1,315メートル)である。
懐中電灯を点けながら歩いていると、長いトンネルであるため、途中で工事用の斜坑出口(トンネル工事用に物資等を搬入する別のトンネル)が現れてきた。そこを通って外に出ると、今はもう、工事用の車両など近づけない荒れ放題の場所である。

@斜坑出口
元来た道を戻り、本トンネルへと戻って行った。
なお、66.7パーミルは鉄道としては急勾配であるが(鉄の車輪と鉄のレールで摩擦係数が低いため)、車道と比較すると大した勾配ではない。しかし、真横から見てみると、それなりの勾配であることが分かる。

@この構図で見ると
その後も、トンネルを歩き続けた。今日は上り線の廃線跡を歩いているが、1つだけ整備上の関係で下り線のトンネルを歩く部分がある。
と、その箇所で、転んでしまった。転んだと言ってもバラストを踏み外して尻もちを付いただけであるが、私ももうそんな歳であるのかと思った。体幹は強い方であると自負していたが、歳には勝てないのであろう。

@この直前に滑った
5号トンネルを抜けると、旧熊ノ平駅である。ここで、昼食休憩となる。今回のツアーには峠の釜めしが付いてくるが、通常とは違う特別なカラーバリエーションである。

@中身はいつもの釜めし
食事後は、ツアーの再開である。ここ旧熊ノ平駅までは旧線を整備した「アプトの道」を通って峠の湯方面から歩いて来ることができるが、今日はそれではなく、引き続き廃線後そのままとなっている新線のトンネルを歩くこととなる。

@今日は一番左を歩く
いったん上り線のトンネルに入って短いビデオを見てから、上り線トンネルへ移動してハイキングを続けた。
途中、何回か短い休憩があったが、そのうちの1回は長い橋梁の上であった。

@橋も残っている
色々な説明(事故を起こした機関車が残したトンネル傷など)を聞きつつ歩き続けてすべてのトンネルを走り終わり、後は峠の湯まで路盤上を歩くだけである。
しばらくすると、猿の集団と遭遇した。彼らを刺激しないよう、見守るのみである。

@興奮中の猿
15時頃に峠の湯に到着して、ツアーは終了となった。
ここからJRの横川駅まで40分ほど歩いて行き、帰るだけである。横川駅に続いているアプトの道は、ちょうどモミジの紅葉が最盛期であった。

@綺麗
■2025.11.23
5時台に自宅を出て、JRを乗り継いで取手駅までやって来た。券売機で買ったのが、「ときわ路パス」である。この切符は原則として茨城県内の鉄道が乗り放題なのであるが、真岡鉄道に関しては終着の茂木まですべて乗車できるようになっている。真岡鉄道は大部分が栃木県にあり、また取手から茂木まで往復で5,180円にもなるから、有難い存在である。

@これで移動(2,330円)
7時14分に取手を出発し、途中の水海道で乗り換えて、下妻には8時40分に到着した。8時52分発の真岡鉄道に乗り換えてひたすら乗り続けて、終着の茂木には10時01分に到着した。
ハイキングの受付を済ませて、一式を頂いた。

@資料一式
ガイドブックやパンフレット、記念切符などである。レシーバーは、昨日の物とまったく同じであった。
続いて配られたのが、お昼用のおにぎり弁当と和菓子である。和菓子の中身は、お饅頭であった。

@食べ物一式
参加予定者が全員揃ったため、予定より少し早い10時20分にツアーが開始された。まずは、茂木駅付近の歴史の説明があった。
続いて、長倉線の廃線跡巡りである。スタート地点には長倉線用の0キロポストがあるが、もちろんこれは意図的に置かれたものである。

@観光用(ここのみ、本物のキロポストを再利用したもの)
しばらく車道を歩いて行くと、長倉線の跡が見えてきた。路盤は、歩きやすいように整備されている。それなりの勾配があり、20パーミルであるという。昨日の66.7パーミルほどではないが、SLで上ろうとすればかなり労力を要する勾配である。

@未成線跡
いったん大きな道路に出てしばらく歩くと、再度長倉線跡を歩くこととなる。もう舗装はされていないため、廃線跡のような雰囲気と同じである。

@茂木駅から1.5キロ地点
その後も、解説を聞きながら未成線跡を歩き続けた。未成線と言ってもかなりの部分が完成しており、「レールを引いていないだけ」であるため、遺構がかなり残っていた。
しばらくすると、大きな切り通し部分に辿り着いた。

@茂木駅から2キロ地点
その後も歩き続け、アーチ形の橋や、ノミの跡が残っている切り通しを通り過ぎて、今回のツアーでのメインとなる大峯山トンネル(通常は進入禁止)に辿り着いた。トンネルに入る直前に、ヘルメットと懐中電灯が配布されている。

@トンネル
トンネルの中では、長倉線の歴史に関するビデオが3つほど上映された。それを見終えてからトンネルを抜けて、大きなアーチ橋の上で、お昼休憩である。出発前に貰っていた弁当を、ベンチ上で頂いた。

@アーチ橋の上で休憩(出発時に撮影)
昼食休憩も終わり、引き続き長倉線跡を歩き続けた。沿線では、干し柿用の柿がちょうど収穫期であり、農家さんが大きなハサミで実を摘んでいた。

@柿
茂木駅から約6キロ歩き続けて、下野中川駅となるはずであった敷地に辿り着いた。敷地内には車掌車があり、またそれを覆う駅舎のような建物もできている。全日空のタラップについては、車掌車を贈呈してくれた人が保存していたものであるという。

@駅になるはずであった場所
車掌者自体はいつでも見学できるが、今日は中に入ることもできる。また、ダッチングマシーン(デイティングと読むべきDatingを誤読したものが定着したもの)体験ができるということで、私は戦前のデザインの切符を選んだ。

@日付入れ体験
今日の復路は、バスが付いているプランである(バスが無い日もある)。貸切バスに乗って茂木駅に戻り、ツアーは終了である。
戻りの列車の出発まで時間があるため、「もてぎ昭和館」などを観光してから帰路に就いた。

@昭和館



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