■はじめに
今回は、2種類のビール列車に乗ることにしている。
まず1つ目は、近鉄の「アサヒビール列車」である。観光列車「つどい」の車両を使ったツアーであり、ビールは飲み放題であるがツマミ等は付いていない(食材の持ち込みは可能)。出発地は大阪上本町であり、料金は下車駅によって異なる(橿原神宮前は4,070円、大和西大寺は5,110円、大阪上本町は5,700円)。上本町まで乗ってしまうと、料金が高くなるだけでなく宿泊するホテルも高くなるため、大和西大寺で下車して近鉄奈良駅付近の安ホテルに泊まることにした。ネットで申し込みを済ませ、乗車の1週間前くらいに案内や切符が郵送されてきた。ビール飲み放題だけの値段にしては高いが(第三セクター鉄道のツアーであれば、この値段ならば弁当などが付いてくるだろう)、まぁ都会でのイベントであるから仕方がない。
あと1つは、西武鉄道の「ビール特急」であり、正式名称は「ビール特急レッドアロー号 ~真夏のビール旅~」と少し長い。西武新宿から本川越まで特急「レッドアロー」号に乗り、車内でビール2杯と簡単なおつまみが提供されるという。
川越でのお祭り期間に合わせて実施されるものであり、本川越駅では「Laviewホーム酒場」が開催される日もあるという。ということで、こちらもネットで予約して、コンビニで発券しておいた。ビール2杯と簡単なおつまみだけで3,278円であり(しかも乗車券は別途必要)、こちらもなかなか良い値段設定であるが、やはり都会のイベントであるから仕方がない。
■2025.7.23
大阪までの移動は、青春18きっぷ(3日間用)を使うことにした。1日目は名古屋までの移動に留め、2日目は東海道支線などの旅をしてからビール列車に乗車(奈良泊)、そして3日目にひたすら帰って来るという旅程である。
しかし、青春18きっぷは、3日間用が10,000円で、5日間用が12,050円ということで、たったの2,050円しか差がない。ビール列車から帰ってきた翌日にはビール特急に乗る予定であり、最寄駅から新宿および川越から最寄駅の移動だけでも1,650円使ってしまうため、つまり5日間用を買えば、実質400円で残り1日分を自由に使えることになる。ということで、5日間用を使うことにした。

@予定変更
結果的に、7月23日は「目的のない旅」をすることになった。暑い時期であり散策する気にもなれないため、ひたすら乗り鉄をする。目的は、久留里線乗車と、房総一周にした。
平日のラッシュを避けるために、5時台の列車に乗り込み、乗り換えを繰り返して木更津までやって来た(千葉から木更津までの列車は「ラッシュと反対だから空いているだろうと思っていたが、意外に混雑していた)。

@上総亀山行
久留里線の上総亀山行は、意外にも3両編成であった。残念なのは、すべてロングシートであるという点である。
定刻の7時25分、木更津を出発した。平凡な景色が続き、久留里で多くの乗客が下車した。久留里線のここから先は、乗客が少ないため廃止されることが内定している。
上総亀山には、定刻の8時33分に到着した。

@行き止まり
久留里線に乗ってここに来るのは数度目であるが、いつもとんぼ返りである。廃止時期が正式に決定したら、1泊旅行に来ようと思う(近くには温泉ホテルがある)。
折り返しの8時48分発の木更津行に乗り込み、定刻に出発した。
木更津到着は、9時53分。木更津と言えば、知る人ぞ知る「バーベキュー弁当」である。駅の売店で買えるため(まだ当ブログでも紹介していないはずなので)、1ネタとして購入した。

@肉が香ばしい(940円)
バーベキュー弁当を待合室で頂いていると、10時30分発の館山経由上総一ノ宮行が入線してきた。たったの2両編成であり、しかもボックス席は1両当たり2個しかないため、急いでそちらに移動してボックス席の窓側を確保した。

@短い編成
定刻の10時30分、木更津を出発した。
さてこの先であるが、本来は館山で途中下車して、「さかなクン」の博物館(無料)がある道の駅に行くつもりであったが、この天気(猛暑)では、駅からの徒歩往復30分で黒焦げになってしまいそうである。それに、途中の館山から乗車したらボックス席が確保できない可能性大である。そこで急遽予定を変えて、そのまま乗り通してしまうことにした(博物館などは、涼しくなってからまた来ればよい。時間は無限にある無職である)。

@海はすべて車窓から
ぐるっと房総半島を半周し、13時33分に上総一ノ宮に到着した。ここで東京行の快速列車に乗り換える。しかし直接家には帰らず、いったん都内に行って野暮用を済ませてから帰ることにしている。
■2025.7.24
今日は名古屋に移動するだけであるが、東海道本線では面白くないため、当然のように中央本線経由である。しかし、旅行記の本質とは関係ないため、紹介は最低限で良いであろう。
5時台に最寄駅を出発し、高尾まで乗り継いで甲府行に乗り込んだ。以前はロングシートであるとがっかりしたが、最近はロングシートが当然のように多い。甲府で乗り継いだ松本行も、ロングシートであった。
11時16分、松本に到着した。買い物を済ませてから、12時13分発の中津川行に乗り込む。やっと、クロスシートである。

@JR東海はクロスシート
12時13分に松本を出発。14時44分に到着した中津川ではすぐには名古屋行に乗り継がず、スーパーに行ったりしてから15時台の列車で名古屋に向かった。今日の安宿は定価ですら2,700円であり、そこに「じゃらん」のクーポンを2,000円適用させているから、たったの700円だけである。
なお、わざわざ松本まで行ったのは、夕食のネタを仕入れるためであった。今日は、2種類の山賊焼きと野沢菜のおにぎりである。

@長野メシ
■2025.7.25
今日は大阪までの移動となるが、直行したのでは早く着き過ぎるため、東海道本線の支線(美濃赤坂)に行き、そして買い物のためだけに敦賀に行くことにしている。
名古屋発7時00分の列車に乗り、大垣には7時33分に到着した。ここから、美濃赤坂行の支線が発着している。

@美濃赤坂行
7時41分に大垣を出発し、美濃赤坂には7時48分に到着した。あっという間である。
さて、ここに来たのは単なる乗車目的ではなく、西濃鉄道という貨物列車を見るためである。まだ7時台であるが日差しは強いので、傘を差して駅から歩き始めた。
15分ほどで、大きな工場に辿り着いた。貨物列車も待機中であり、出発しそうな雰囲気である。

@出発準備中
貨物列車の写真を撮って駅に戻りつつ、西濃鉄道の時刻表をネットで調べてみると、平日は8時22分発があり、恐らく先ほどの列車がそれである。ということで、神社の参道をレールが横切っている区間があったので、そこで動画を撮影した。
しばし歩き、美濃赤坂駅に戻ってきた。向かいの操車場には、先ほど走っていた貨物や、古い機関車が係留されている。

@係留中
8時45分発の列車で大垣に戻り、その後は大垣と米原と近江塩津で乗り換えて敦賀に向かい、夜用のツマミをスーパーで買ってから12時20分発の新快速で京都に向かい、そこで乗り換えて奈良までやって来た(大人鐡とは関係ないため、大幅に省略)。
いったん安宿に荷物を置いてシャワーを浴びてから、再度JR駅に向かい、鶴橋までやってきた。ビール列車の出発は大阪上本町であるが、鶴橋からは徒歩である。
18時少し前に駅に着いて、臨時受付で手続きを済ませた。

@資料など
切符は事前に郵送されていたので、ここでは自席の番号などを案内されただけである。
列車の入線は18時19分頃ということなので、駅近くにあったスーパーへ。ツマミは敦賀で買ってあるが、せっかくのビール列車ということなので、安物の焼き鳥を追加で購入した。
18時15分頃、ホームへと向かった。案内板には「貸切」とある

@ホーム上の案内
予定されていた18時19分、「つどい」編成が入線してきた。この観光用車両は3両と短いため、先ほどまで停車していた定期列車の編成よりも、だいぶ手前で停車してしまった(私はホームの端で待っていた)。そこまで移動して、まずは撮影である。

@つどい編成
ドアが開いたので、指定された2号車へと入っていった。1号車と3号車は客車専用であるが、2号車はほとんどがフリースペースであり、座席は8人分しかない。私は1人で申し込んでいるが、隣は空席になっており、2席分使えるようになっていた。
なお、すでに席上にはビールが用意されており、もう飲んでよいとのことである。

@自席
出発時刻は18時31分であるが、すでに呑み始めることにした。
ツマミについては、敦賀(福井県)っぽいのは練り物とおかきくらいで、後はどうでも良いものばかりである。それらでの一献を進めたが、まだ動き始める前にもう2杯目をお代わりしてしまった。

@席上の様子
ホーム上では、通勤帰りの多くの人がこちらを珍しそうに眺めている。今は亡きブルートレインで浴衣姿でビールを呑んでいると、通過する駅のホームにいるサラリーマンから珍しそうに眺められた記憶が蘇る。
定刻に出発し、車内では乾杯の音頭が取られた。

@乾杯
この「つどい」編成の良いところは、席が外に向いているという点である。通常のビール列車では、ロングシートに座って中央部分にテーブルがある形が多く、その場合、グループなどは宴が盛り上がるが、しかしそれでは居酒屋と何ら変わらないし、誰も景色を見ようとしない。今回はテーブルが窓側にあるため、大阪の街を眺めながら呑むことができるのである。どうってことのない大阪の街が、新鮮に映ることこの上ない。

@街を眺めて一杯
提供されるのはビールだけで、ツマミも水もないため、ひたすらお代わりを繰り返すだけである。いくつかの駅で停車して、定期列車に抜かれて行った。走行中は揺れるため、停車中がビールを流し込む最良のタイミングでもある。
19時17分、橿原神宮前に到着した。ここでいったんドアが開くが、ここで降りてしまうと次に乗車できるのは40分後以降となってしまうという。もちろん、私は車内に残って呑み続けるだけである。
すぐにドアが閉まり、編成は引込線へと移動していった。

@引込線内
20時前くらいに駅のホームに戻りドアが開いたので、外に出て数枚の写真を撮影した(表紙写真など)。20時05分、橿原神宮前を出発した。
乗客は各々飲み続けているが、問題はトイレである。編成内に1つだけしかないため、トイレ行列が20人くらいになってしまった(私は早めに並んだが、それでも15分くらい待つことになった)。ここは、要改善かもしれない。
さて、締めの一品であるが、敦賀のC級グルメ「フジバーグ」である。

@締め
ヘロヘロ状態になり、20時32分に到着した大和西大寺で下車した(私以外にも、数人が下車した)。大阪のホテルは高いため、奈良のホテルに泊まることは先述した通りである。
大和西大寺から近鉄奈良へ移動して、チェックイン済の安宿に戻っていった。

@奈良っぽいカラーリング
■2025.7.26
今日は関西本線と東海道本線経由で帰るだけであるが、蛇足だらけのこの旅行記であるから、この部分の詳細は不要であろう。
ところで、今回の宿は近鉄奈良駅に近いところにある。「個室で安いところ」という条件で探したのだが、結果的にはベーカリーホテルというところになり、朝食も付いてくるという。ということで、有難くタマゴトーストなどを頂いてから出発した。

@朝食セット
■2025.7.27
9時前に最寄駅を出発し、乗り継ぎをして新宿へ。久々の新宿なので馴染みの本屋などに行ったりしてから、西武新宿駅に向かった。
ビール特急の利用券はすでにコンビニで発券しているが、乗車券は別途買わなければならない。ICでも乗れるが、見栄えを気にして切符を買ってみた。

@一式
ビール特急は、11時30分発の特急「小江戸」の車両の一部が会場となっている。ホームで待っていると、「小江戸」に使用されているレッドアロー号が入線してきた。

@NRA(ニューレッドアロー)
出発の2分くらい前になってやっとドアが開いたので、自席に向かった。座席の上には、おつまみなどがすでに置いてある。
荷物を置いてから、隣の4号車(ビールサーバーが置いてある)に行って、1杯目をもらうことにした。今回は2杯まで呑めるが、3杯目以降も500円で販売しているという。

@注いでいる
ビールを自席に持ち帰り、早速呑み始める。2杯だけの提供であるが、そもそも論として西武新宿から本川越までは所要時間がたったの45分しかないため、のんびりと呑んでいるわけにはいかない。

@唐揚げは西武新宿駅で追加購入したもの
定刻の11時30分、西武新宿を出発した。
車内では、係員や売り子によるアナウンスも行われた。いつもはベルーナドームでビールの売り子をしている女性も、今日は乗車してビールを提供している。
沿線風景は、いつもの西武鉄道である。特に変わりはない。

@いつも通り
2杯目ももらいに行って、それを自席で頂いた。定刻から3分ほど遅れた12時18分、本川越に到着した。あっけないが、これで終了である。
今日は本川越駅ホームにおいて、「本川越駅 Laviewホーム酒場」というイベントが行われており、出店があり、そして特急Laviewの車両が解放されている。ここで追加で呑んでもいいのだが、昼から呑みすぎると帰るのが面倒になるため、ここは見るだけである。

@こういう状態
しかしせっかく車内に入れるので、Laviewで一休みすることにした(コンセントもあるため、充電もできる)。車内では、「昭和名曲ヒットパレード」というイベントが行われていて、懐かしい曲が次々と流れていった。

@Laview
この後は、もう帰るだけである。JRの川越駅に移動して、青春18きっぷを利用して久々に八高線に乗ってから、高崎経由で帰ることにしている。
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