■はじめに
さて、大人鐡2回目は、観光列車としてテレビで取り上げられる回数が日本一の(と私は勝手に思っている)、しなの鉄道の「ろくもん」である。特集番組などで何回も見たことがあり、出発前のほら貝から途中駅での買い物まで、まだ乗車したことがないのにあれこれ知ってしまっているが、もちろん乗車するのは初めてである。
予約開始日にネット予約サイトを見て、お一人様でも気楽なカウンター席を確保した(なお、乗車時に乗務員に聞いた話であるが、2人席でも1人で予約できるとのことであった)。料金は15,100円であり、なかなかの高価格である。
併せて乗車するのが、JR東日本の「HIGH RAIL 1375」(星空号)である。コース料理のような高価な料理は提供されないが、この「大人鐡」の必須条件である「食事の提供」は満たしている。ということで、こちらも「えきねっと」で指定席を確保し、「びゅう」で弁当を手配しておいた。この手の列車(コース料理等ではない)は、「プチ大人鐡」と勝手に定義しようと思う(先の乗車予定であるが、JR東日本の「フルーティアふくしま」やJR西日本の「〇〇のはなし」がこれに該当する)。
■2019.12.14
軽井沢発「ろくもん1号」の出発時刻は、10時34分である。ということで、10時過ぎに軽井沢に到着する新幹線の「トク30」を事前申し込みしておいたが、残念ながら瞬殺であった。安い代替案となれば、高速バスか、青春18きっぷ+横川から路線バス、である。
しかし6時台の新幹線を見てみると、グリーン車の「トク35」があるではないか。料金は4,780円。上記代替案よりは高いが、新幹線普通席の定額よりは安い。いつもはグリーンなど乗らないので、「大人鐡」にあやかってあえてそれに乗ることにした。

@「大人」ですから
その新幹線で軽井沢に到着したのはいいが、早く出発し過ぎたためまだ朝の8時過ぎである。ということで、旧軽井沢方面まで散策して観光をした。特に目的はなかったのだが、「鉄道ミニ博物館」なるものを偶然発見。良い「拾い物」をした感じであった。

@その資料館は撮影禁止であったため、軽井沢駅前にある軽便鉄道で代替
9時半頃に駅に戻り、旧駅舎の待合室でしばし待機。9時50分頃に「ろくもんにご乗車ですか?」と声を掛けられ、係員から飲み物券(コーヒーorりんごジュース)をもらい、乗車手続きの説明を受けた。
カフェでりんごジュースを受け取り、2階にある貴賓室(ろくもん専用待合室)へ。一番乗りのため、独り占めである。

@独占
列車のドアは10時20分に開くということであったが、それより少し前にホームに入り、構内で展示されている旧い機関車などを撮影。続いて、これから乗車する「ろくもん」の撮影である。
元々は国鉄時代の車両であり、よくよく見れば古さは隠せないが、内装は見違えるような状態である。

@昭和な車両
女性乗務員がほら貝を鳴らし、ドアが開いた。カウンター席のある2号車へと向かう。
今日は満員ではなく、2人用の席も空いているようである。ゆったり座るのなら「あちらに移りたい」と言えば要望は聞いてくれそうであるが、景色を見るためには窓に近いカウンターのままが良いと思い、そのままにしておいた。

@こんな車内
出発後は、まずは飲み物のオーダーである。1種(ビールの場合は2本)がサービスで無料であるが、まぁ設定値段を考えればそれくらいはあっても当然か、という感じである。少しく悩んだが、地ビールを選んだ。

@今日のお供
定刻に出発。最初に供されるのは前菜であるが、今日の料理を提供している店はチーズが有名とのこと。「やっぱりワインだったか」と思いつつも、地ビールは美味しかったのでそれでよしとする。
係員の案内(説明)も、前回の長良川鉄道と比較するとさすがにこなれている感じである(取材等もかなり受けているのだろう)。と言っても、長良川鉄道がぎこちないという意味ではない。

@前菜
食材にも地元の鯉などが使用されており、気配りが感じられる(そういえば、前回も鯉があった)。最初は速度もゆっくりで、「食事のために遅く走っているのか」と思ったが、そのうち速度が速くなっていった。後ろで箸やフォークを落とす音が聞こえる。
中軽井沢を過ぎると、浅間山のお出ましである。

@待っていました
続いては、パンである。ジャムとチーズを付けるのだが、チーズの香りの豊潤なこと。それが終わると、スープである。

@2つまとめて
それも平らげてしまうと、最後はメイン(3皿)である。これも地元の食材が豊富に用いられているが、牛肉の柔らかさと来たら! これはもう、飲み物と言ってもいいのではないか、というくらいである。

@メイン(牛肉は「飲み物」)
さくさくと食べ進めてしまったため、田中に到着する前には食べ終えてしまった。同駅でしばし停車時間があったため、ホーム上を散策。隣りの3号車も覗いて見たが、完全個室になっており、こちらの方が落ち着いて景色や料理を堪能できそうである。

@次回はこっちで(「次回」はあるのか?)
田中を出発してしばらくすると、最後のデザートである。もちろん、ここでもチーズがふんだんに用いられている。

@コーヒーと共に
続いての長時間停車は、上田である。各ブログでも紹介されているが、人々は甲冑もどきを着て写真撮影をしたり、地元の商品を買ったりしている(私は見ているだけ)。
上田を出発すると、後は長野に向かうだけである。下車前にお土産を渡されるのであるが、内容は「味噌」であった。

@おみや
定刻の12時49分、長野に到着。
さて、まだ昼過ぎである。当初素案では「長野電鉄でも往復して途中下車しながら観光して、長野駅近くの激安ホテルにでも泊まるか」と思ったが、なぜか安いホテルが見つけられなかった。ビジネスホテルごときに6~7千円も使うのは馬鹿らしいので、「だったら温泉に」と方針転換をして、今日は角間温泉の宿(2食付で8,800円)を押さえている。
13時30分の長野電鉄に乗り、途中の小布施で少しだけ観光して、湯田中へ。1時間弱くらい歩いて角間温泉へ向かった。湯田中や渋は何度か行ったことがあるが、川の対岸にあるここは初めてである。超地味な温泉であるが、私好みである。

@味わいのある家々
さっそく湯に浸かり、夕食へ。昼ほどの高価食材ではないものの、これでも充分に納得の内容である。ちまちまと料理をつつき、酔っ払ってから就寝した。

@温泉宿にしてよかった
■2019.12.15
今日の鐡ネタである「HIGH RAIL 1375」の「星空号」は小淵沢発18時17分であり、それまでの選択肢は無限である。当初は「善光寺でも行って、大人グルメとして長野で蕎麦でも食べて、姨捨で途中下車」という案を作成していたが、当日の朝になって「善光寺は何回も行っているし、姨捨も以前に散策済みである。それに今日は朝食付だから、蕎麦も正直いらないだろう(私はいつもは朝も昼も食べない)」となり、あれこれ検索して、ぶらっと信濃大町まで行くことにした。
朝食を頂いてから駅まで送迎してもらい、8時37分の列車に乗り込んだ。信州中野で乗り換える。

@最近は鉄道もこうですか…
長野からは青春18きっぷで移動。10時07分発の篠ノ井線であるが、姨捨で5分の停車時間があったため、奇しくもプチ散策ができた。
信濃大町までまっすぐ行っても時間が余り過ぎるため、聖高原で正真正銘の「ぶらり途中下車」。古い街並み(古い家自体は数える程度のみ)とお寺を発見。
その後は松本へ移動。ここでも小一時間の中途半端な時間があるため、松本城を拝みに行った。

@中に入る時間はなし
松本駅ではなくて北松本駅に歩いて行き、そこから大糸線で信濃大町へ。駅付近散策をしてからスーパーで夜用食材(ツマミ用)を買い、駅に戻って15時25分の列車で松本へ。松本発16時41分の列車に乗り、途中で日が暮れて、17時58分に小淵沢に到着した。
駅の売店でワインを仕入れ、さて、やっと今日の観光列車に乗車である。

@こんな外見
乗車時に入口で指定券を見せ、車内プラネタリウムのチケットをもらった(私は2回目の上映を選択)。
2両編成であり、2号車の座席は普通であるが、1号車はペアシートと1人用の席に分かれている。この列車の指定席券は820円と通常よりも若干高く、2号車であるとお得感はないが、1号車の1人用シートならば「逆に安いくらい」である。

@お一人様に優しい席
アナウンスがあったので、1号車カウンターに行って特製弁当をもらう(バウチャーと引き換え)。定刻の18時17分に出発した。
この「HIGH RAIL」の場合、1号(冬季運休)と2号は外の景色を見ることができるが、星空号の場合、景色は全く見えない(当然といえば当然)。ということで、スマホの位置ゲームなどをして暇をつぶした。それから2号車の先頭に行って5分程度の車内プラネタリウムを見て、その後はこの旅行記を書いたりした。
19時06分に野辺山に到着し、駅近くの公園まで歩いて行って星空観察会へ。今日は昼も快晴であったため期待していたのだが、それを裏切らない満天の星空であった(大感動)。各星座はもちろん、天の川まで見えている。子どもの頃は田舎に住んでいたのでよく星も見ていたが、オリオン座や北極星などを見たは、その時以来である。デジカメでは写らないのが残念この上ない。

@車内プラネタリウムの画像で代替
猛烈な寒さの中で30分強の解説を聞き、列車に戻った(しかし、今日は満天の星空だったからいいものの、曇天や雨の場合にこの停車時間はどうするのであろうか)。
1号車にある売店へ行き、ビールを購入。これで準備万端である。

@ビール、お茶(弁当用。これは持参した焼酎と割った)、ワイン
同駅を出発してからは、まずは信濃大町で手に入れた品々で一献である。円揚げ(小さいニジマスを巻いて揚げたもの)など、この大きさで580円もするもので、いつもならスルーであるが今日は「大人」なので買ってみた。
納豆などは「飯テロ」に近いかもしれないが(最近は新幹線で豚まんも食べられない世の中)、この列車の1人用席は前後左右が離れているので、大丈夫であろう。

@こんな内容(信州味噌のホルモン焼きなども)
ほどよく酔ったところで、メインの「特製弁当」である。このお弁当は各ブログでも紹介されていることがあるが、年度や季節によって内容が違うようである。今回のものは、開くと列車が立体的に浮き出す箱になっており、内容は手毬寿司などであった。

@美味しく頂く
持参した焼酎も飲み、ヘロヘロで21時27分に到着した佐久平で下車した。もう遅いためここから新幹線で帰ることはせず、駅近くのホテル(リニューアルキャンペーンでたったの3,200円)を押さえてある。
チェックインし、即ベッドへ。
■2019.12.16
さて、今日は有休を取ってあり、小海線や身延線や御殿場線をぐるっと経由して戻ることにしている。それなりに見所はあるし、鐡ネタもあるが、本筋(観光列車と大人グルメ)からは程遠いため、さっくり削除である。

@富士山で締め
【過去のシリーズ】
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